はじめに
今回はガロア拡大に関するよくありがちな問題を持ってきました.
その他の問題たちは
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問題と解答
が可換体,ではの中に平方根を持たないとする.に関する方程式の一根をにつけて得られる体をとするとき,次の問に答えよ.(東大)
(1) は上のガロア拡大であることを証明せよ.
(2) のガロア群を求めよ.
(3) との中間体で,以外のものを求めよ.
感想
与えられた多項式が複2次式なので解の計算がしやすいのが嬉しいですね.具体的に解の形を書き下したら,後は定石通りの計算を丁寧にするだけです.所々での標数がかどうかが気になりますが,仮定から直ぐにを導けるので心配せずとも大丈夫です.
1
証明を表示
仮定よりであることに注意する.また,とするととなって仮定に反するのでである.の標数がであるとすると,
となり,の平方根がの中に存在しないという仮定に反する.よっての標数はではない.をの代数閉包とする.解の公式からがの全ての根となることが分かる.,とおく.であるから,体の拡大列
を得る.であることとが多項式の根であることから,である.と仮定する.このとき,が存在してと書ける.すると,
となるから,かつとなる.後者の式からかつとなるから(に注意)
が成り立つが,これは仮定に矛盾.よってである.は上の多項式の根であることを考えると,が成り立つ.これより
となるので,の上の最小多項式はである.これより,の上の共役がで全てであることも分かる.
さて,であることとであることから,
が成り立つ.よって,であるから,と書ける.更にが正規拡大であることも分かる.
が分離拡大であることを示す.の微分は
である.の標数はでないから,は零多項式ではない.仮にのいずれかがであるとすると,
となって仮定に矛盾.また,のいずれかが多項式の根であるとすると,
となるのでやはり矛盾.従っては重根を持たないから,は分離拡大である.以上より,がガロア拡大であることが示された.(証明終)
2
解答を表示
1の結果からである.を
を満たす元とする.このとき,
となるので,である.すると,から
が成り立つ.従って,である.これより,であるから,の位数はである.よってとなるので,である.(終)
3
解答を表示
ガロアの基本定理から,の中間体はの部分群に1対1に対応する.の自明でない部分群はのみである.これに対応する部分体はで固定される元全体からなる体である.その体をとおくとである.2で計算したことからが成り立つので,が成り立つ.1での計算からであったから,となる.即ちであり,これが求めるべき部分体である.(終)
最後までお読み頂きありがとうございました.