はじめに
この記事は
りぼーすさんの研究まとめの記事
を読んででやったらどうなるんだろうなーというのを考えた記事となります。
発想
合同式をにおいて考えると
はと等価であり、これが成り立つとき
は
つまりと等価となる。
この議論から以下の表示が得られます。
これを使っていくつかの命題を示してみます。
より、また
よりなので
とおくとおよびは自然数となるので
を得る。
(は奇数)のとき
(は奇数)のとき
(は自然数)のとき
が成り立つ。特に
が奇数
が成り立つ。
のときはよりとなるので、以下とする。ちなみに
が成り立つのでにおいてはが成り立ちます。
命題2の証明より
であることに注意する。
のとき
およびより
なのでを得る。
のとき
よりを得る。
のとき
および
なのでを得る。
が素数のとき
を素イデアルとし、のにおける位数をとおくと
が成り立つ。
の場合は命題1に一致するのでと分解する場合を考えればよい。
冒頭での議論から
と
が等価であることと、そのようなに対し
と
が等価であることを示せばよい。
上下は自明なのでその逆を示す。
のとき
仮定の式に共役写像を作用させることではに移るので
つまり
が成り立つのでより
を得る。
かつのとき
これも仮定の式の共役を取ることで
が成り立ち、これにを掛けることで
つまり
を得る。
、つまり
を示せばよい。
が素イデアルであるときはは体、特に整域であることからわかる。
またと分解されるとき、整域性から
となるが、共役を考えることで
が成り立つのでを考えると
を得る。
またこのとき
が成り立ち、は整数であるのでおよびは平方剰余となる。
命題3から(は奇数)、特に
となる。よって
が成り立ち、は整数であるのでおよびは平方剰余となる。
から命題6の証明と同様にして
が成り立つので命題7と同様にして
がわかる。よっては平方剰余となる。
のとき
補題4からと分解できが成り立つので(は奇数)であり、命題3からが成り立つ。
のとき
より命題6,7からでなければならない。
のとき
より命題7,8からでなければならない。
のとき
一つ目の場合と同様にしてはで割り切れないことがわかるので命題3からとなる。
な命題
ここまではりぼーすさんの記事でも示されていた命題ですが、一つだけちょっとした命題を紹介しておきます。
が成り立つこととがリュカ数のある奇数項を割り切ることは同値である。
特にすべての奇数に対してであるときが成り立つ。
であればある奇数があって
が成り立つので、これにを掛けることで
つまりであり、またであるとき、
が成り立つので。命題3からこれはを意味する。
またが成り立つときであったのでつまりの範囲でを見つけることができる。
リュカ数の奇数項とその素因数分解を挙げてみると次のようになります。
この表からはすべての奇数つまりに対しを満たすのでとなる(実際よりとなる)。
同様にからやからといったの例があることがわかる(実際それぞれよりとなる)。
りぼーすさんの記事ではの場合のが不明となっていましたが、これを見るともうしっちゃかめっちゃかですね。