以前に書いた記事
「区間縮小法の原理で『2乗して2になる正の実数(√2)』の存在を確認する」
内で行っている
上記の記事内では、以下のステップで示しています。
①
② アルキメデスの性質により、
③ ①より、
この証明に対して「
上記事実は当たり前に感じる方も多いと思うのですが、せっかくなので「部分列の定義」に戻りつつ、
集合
※参考:内田伏一「集合と位相」p.143
今回のケースに当てはめてみましょう。写像
数列
この命題を証明する前に、今回のケースに当てはめてみましょう。
では、 趣味の大学数学「収束する点列の部分列が収束することの証明」 を参考にしながら、まずは以下の補題を示していきます。こちらのサイトでは、一般の距離空間を対象にしていますが、本記事では1次元ユークリッド空間のみを考えていきます。
集合
数学的帰納法で示す。
が成立すると仮定する。両辺に
となる。
であり
となることがわかる。
(1)(2)より
となり、
以上より、すべての
この補題を使いながら、命題1を証明していきます。
を満たす。
ここで、補題より
である。
また、
が成り立つ。
(2)(3)より、
となるので
であることがわかる。
したがって、(1)より、
を満たす。
以上より、
を満たすことがわかる。
アルキメデスの性質より、ある
を満たす。
よって、
が成り立つ。
したがって
となる。
よって、任意の正の実数
を満たす。
ゆえに、
また、本記事の内容は「自明」で終わらせて良いことなのかもしれませんが、自分の理解のためにも長々と書いてみました。以前に書いた記事 「区間縮小法の原理で『2乗して2になる正の実数(√2)』の存在を確認する」 と同様、「この仮定、使っていいのかな…?」などと思いつつ恐る恐る証明しました。なにかやばそうであれば、ぜひコメントくださいませ(理解できる力量については自信がないですが…)。自然数や実数と仲良くなりたい!