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【ゲージ理論】いくらかの公式(1)

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 ここではゲージ理論における計算に役立ついくらかの公式と証明を述べます。Mm次元多様体、GをLie群、gGのLie環、P=P(M,G)M上の主G束とします。Pの同伴ベクトル束の例として重要なのが次の随伴束です。

随伴束

 P随伴束とはGの随伴表現Adに関する同伴ベクトル束gAd:=P×Adgのことである。

物理ではgAdの切断を随伴表現スカラー場などと呼ぶことがあります。

KΩk(gAd), LΩl(gAd), MΩm(gAd)に対して、次が成り立つ。
(1) [KL]=(1)kl+1[LK]
(2) (1)km[[KL]M]+(1)lk[[LM]K]+(1)ml[[MK]L]=0
(3) d[KL]=[dKL]+(1)k[KdL]
(4) dA[KL]=[dAKL]+(1)k[KdAL]

(1)
gの基底を{Ea}とし、K=KaEa,KaΩk(M)などと書く。
[KL]=KaLb[Ea,Eb]=(1)klLbKa[Eb,Ea]=(1)kl+1[LK]

(2)
(1)mk[[KL]M]=(1)mkKaLbMc[[Ea,Eb],Ec](1)kl[[LM]K]=(1)klLbMcKa[[Eb,Ec],Ea]=(1)kl+k(l+m)KaLbMc[[Eb,Ec],Ea](1)lm[[MK]L]=(1)lmMcKaLb[[Ec,Ea],Eb]=(1)lm+m(k+l)KaLbMc[[Ec,Ea],Eb]
より
(1)mk[[KL]M]+(1)kl[[LM]K]+(1)lm[[MK]L]=(1)mkKaLbMc([[Ea,Eb],Ec]+[[Eb,Ec],Ea]+[[Ec,Ea],Eb])=0

(3)
d[KL]=d(KaLb)[Ea,Eb]=(dKa)Lb+(1)kKad(Lb)[Ea,Eb]=[dKL]+(1)k[KdL]

ψΩk(gAd)に対して、次が成り立つ。
(1) dAdAψ=[Fψ] (Ricciの恒等式)
(2) dAF=0 (Bianchiの恒等式)

(1)
dAψ=dψ+[Aψ]より
dAdAψ=d(dψ+[Aψ])+[A(dψ+[Aψ])]=d(Aψ(1)kψA)+Adψ(1)k+1dψA+[A[Aψ]]=dAψψdA+A[Aψ](1)k+1[Aψ]A=dAψψdA+A(Aψ(1)kψA)(1)k+1(Aψ(1)kψA)A=dAψψdA+AAψψAA=FψψF=[Fψ]

(2)
dAF=dF+[AF]=d(dA+AA)+AFFA=dAAAdA+A(dA+AA)(dA+AA)A=0

(M,g)を擬リーマン多様体とします。リーマン接続をで表すとします。gAdAk(M)には共変外微分が定義されますが、一般のg値のテンソル場、すなわちgAdT(m,n)(M)の切断に対しては共変外微分は定義されません。T(m,n)(M)にはリーマン接続から自然に接続が定まりますのでこれもで表すとします。gAdの接続DAT(m,n)(M)の接続からgAdT(m,n)(M)の接続DAg:=DAが定義されます。ϕΓ(gAdT(m,n)(M))は局所的には
ϕ=ϕj1jni1im(xi1)(xim)dxj1dxjn,ϕj1jni1imΓ(gAd)
と表されるので、
(DAg)kϕj1jni1im=kϕj1jni1im+[Ak,ϕj1jni1im]
となります。

 DAggAdAk(M)上にも定義されます。このときdA,DA,DAgについては以下が成り立ちます。

ψ=1k!ψi1ikdxi1dxikΩk(gAd)に対して、次が成り立つ。
(1) dAψ=1k!(DAg)[i1ψi2ik+1]dxi1dxik+1(2) [(DA)i,(DA)j]ψ1k=[Fij,ψ1k](3) [(DAg)i,(DAg)j]ψkl=[Fij,ψkl]m=1kRmijtψ1m1tm+1k

(1)
dAψ=dψ+[Aψ]=1k!(i1ψi2ik+1+[Ai1,ψi2ik+1])dxi1dxik+1=1k!([i1ψi2ik+1]+[Ai1,ψi2ik+1])dxi1dxik+1=1k!([i1ψi2ik+1]+[Ai1,ψi2ik+1])dxi1dxik+1=1k!(i1ψi2ik+1+[Ai1,ψi2ik+1])dxi1dxik+1=1k!(DAg)[i1ψi2ik+1]dxi1dxik+1

(2)
(DA)jψ1k=jψ1k+[Aj,ψ1k]
より
(DA)i(DA)jψ1k=ijψ1k+[iAj,ψ1k]+[Aj,iψ1k]+[Ai,jψ1k]+[Ai,[Aj,ψ1k]]
であるから
[(DA)i,(DA)j]ψ1k=[iAjjAi,ψ1k]+[Ai,[Aj,ψ1k]][Aj,[Ai,ψ1k]]
である。ここでLie環のJacobi恒等式
[Ai,[Aj,ψ1k]]+[Aj,[ψ1k,Ai]]+[ψ1k,[Ai,Aj]]=0
を使うと
[(DA)i,(DA)j]ψ1k=[iAjjAi,ψ1k][Aj,[ψ1k,Ai]][ψ1k,[Ai,Aj]][Aj,[Ai,ψ1k]]=[iAjjAi,ψ1k]+[[Ai,Aj],ψ1k]=[Fij,ψ1k]
を得る。

(3)
ほぼ(2)と同様に
(DAg)i(DAg)jψ1k=ijψ1k+[iAj,ψ1k]+[Aj,iψ1k]+[Ai,jψ1k]+[Ai,[Aj,ψ1k]]
となるから、
[(DAg)i,(DAg)j]ψ1k=(ijji)ψ1k+[Fij,ψ1k]
を得る。

投稿日:2022123
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Submersion
Submersion
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専門は相対論やLorentz幾何です。Einstein系の厳密解の構成や接触幾何の応用などの研究をしています。Ph.D保有者の中ではクソ雑魚の部類です。

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