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【良問オブザイヤー2022】エントリー問題

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はじめに

 この記事は、ポテト一郎🥔 (@potetoichiro)さんの【良問オブザイヤー2022】へのエントリー用に作成しました。
 というのも、私の過去の記事の内容について、匿(Tock) (@con_malinconia) さんに「良問」として他薦していただいたのですが、「問題」の形式にはなっていなかったので、ちゃんと問題の形式にしよう、ということです。

良問オブザイヤー20222022のツイート

エントリー問題

それではここからエントリー問題とします。

相似比2:1の正"奇数"角形内接の定理の証明

$n$$3$ 以上の奇数又は $4$ 又は $6$ とする。

$xy$ 座標平面上の原点を中心とし、辺の一つが $x$ 軸と平行になるように一辺の長さ $2$ の正 $2n$ 角形 $A$ を配置する。

$y$ 軸上に中心をもち、中心より下にある辺の一つが $x$ 軸と平行、かつ一辺の長さ $2$ の正 $n$ 角形 $2$ つを、$A$ に内接しかつ $x$ 軸と接するように配置する。それらのうち中心の $y$ 座標が正のものを $B_1$、負のものを$B_2$とする。

このとき、$B_1$又は$B_2$と外接し、かつ $x$ 軸とも接するように、「中心より下にある辺の一つが $x$ 軸と平行、かつ一辺の長さ $1$ の正 $n$ 角形 $C$ 」を配置すると、$C$ は必ず $A$ に内接することを示せ。

相似比2:1の正 相似比2:1の正"奇数"角形内接の定理
※ $C$ の場所は $4$ 箇所あります。区別するため、象限にあわせて $C_1$$C_4$ と添え字をつけています。

具体例 具体例

相似比2:1の正"偶数"角形内接の定理の証明

$n$$2$ 以上の偶数とする。

$xy$ 座標平面上の原点を中心とし、辺の一つが $x$ 軸と平行になるように一辺の長さ $4$ の正 $n$ 角形 $A$ を配置する。

$y$ 軸上に中心をもち、辺の一つが $x$ 軸と平行、かつ一辺の長さ $2$ の正 $n$ 角形 $2$ つを、$A$ に内接しかつ $x$ 軸と接するように配置する。それらのうち中心の $y$ 座標が正のものを $B_1$、負のものを$B_2$とする。

このとき、$B_1$又は$B_2$と外接し、かつ $x$ 軸とも接するように、「辺の一つが $x$ 軸と平行、かつ一辺の長さ $1$ の正 $n$ 角形 $C$ 」を配置すると、$C$ は必ず $A$ に内接することを示せ。

相似比2:1の正 相似比2:1の正"偶数"角形内接の定理
※ $C$ の場所は $4$ 箇所あります。区別するため、象限にあわせて $C_1$$C_4$ と添え字をつけています。

具体例 具体例

一般化された相似比2:1の正多角形内接の定理の証明

(定理の内容)
「相似比2:1の正"奇数"角形内接の定理」又は「相似比2:1の正"偶数"角形内接の定理」の配置を基準とする。ただし、"奇数"の場合は、$B_2,C_3,C_4$ の位置と角度をそれぞれ $B_1,C_2,C_1$$x$ 軸に対する鏡像の位置に変更したものとする。

 基準の位置から始めて、$B_1,B_2,C_1,C_2,C_3,C_4$各パーツが互いに外接している状態を保ちつつ、かつ各パーツが $A$ に内接したまま平行移動することで、各パーツを原点の周りに一周させることができる。

 一周させる間、$B_1,B_2$ と原点は常に一直線上にあるから、その直線と$B_1$(又は$B_2$)の辺のなす角度を任意の角度にすることができる。

(問題)
 この定理の核となる「基準の位置から始めて、$B_1,B_2,C_1,C_2,C_3,C_4$各パーツが互いに外接している状態を保ちつつ、かつ各パーツが $A$ に内接したまま平行移動することで、各パーツを原点の周りに一周させることができる。」の部分を示せ。

相似比2:1の正 相似比2:1の正"偶数"角形内接の定理の一般化 相似比2:1の正 相似比2:1の正"奇数"角形内接の定理の一般化

スライドパズルのような平行移動で1回転させることができることを示したい スライドパズルのような平行移動で1回転させることができることを示したい

解答

過去の記事の内容がそのまま解答となりますので、こちらをご覧ください。

問題 $1$ 、問題 $2$ の解答

相似比2:1の正多角形内接の定理

問題 $3$ の解答

相似比2:1の正多角形内接の定理の驚くべき一般化

おわりに

 正多角形の配置に関するこの美しい定理は私にとってもお気に入りのものですので、今回推薦していただいてとてもうれしかったです!
 証明に至るまで、かなり時間がかかりましたが、試行錯誤の末に証明に必要な補助線を発見したときはとても興奮したことを覚えています。もし、今回この構図を初めて見た、という方は、是非、解答を見ずに「どんな補助線を引いたのかな?」と考えてみてほしいです。

 それから、推薦していただいた匿(Tock) (@con_malinconia)さんは Twitter のほか、 Mathlog でも図形問題を中心に面白い問題をいろいろ作っていますので、ぜひそれらも見ていただければと思います。

https://mathlog.info/users/248/articles

 

投稿日:2022124
OptHub AI Competition

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apu_yokai
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