で、群 $G$ の 部分群 $H$ の正規核について書きました✨
今回は$G$ がコンパクト位相群の場合、正規核は $G$ の開集合となることについて書きます。
次の命題は参考文献[1] の p.143 定理 17 を参考にさせていただきました。
$G$ をコンパクト位相群、$H$ を $G$ の開部分群とする。このとき $H$ の正規核は $G$ の開集合である。
$H_G$ を $G$ における $H$ の正規核、$e$ を $G$ の単位元とすると、以下が示すことである:
まず、$x^{-1}ex = e \in H$ であることと $H$ が $G$ の開集合であることより、任意の $x \in G$ に対して $W_x^{-1} V_x W_x \subset H$ となるような $x$ の開近傍 $W_x$ と $e$ の開近傍 $V_x$ が存在する。$\lbrace W_x \rbrace_{x\in G}$ は $G$ の開被覆であり $G$ はコンパクトであるから、$\lbrace W_x \rbrace_{x\in G}$ は $G = \displaystyle \bigcup_{i=1}^n W_{x_i}$ となる $W_{x_1}, \cdots W_{x_n}$ を含む。$V := \displaystyle \bigcap_{i=1}^n V_{x_i}$ は $G$ における $e$ の開近傍である。
任意の $x\in G$ に対して $x^{-1}Vx$ はある $W_{x_i}^{-1} V_{x_i} W_{x_i}$ ($\subset H$) に含まれるから、$V \subset H_G$ となる。
$H$ の正規核が $G$ の正規部分群であることを踏まえると、以下の系が成り立ちます。
$G$ をコンパクト位相群、$H$ を $G$ の開部分群とする。このとき、$H$ に含まれる $G$ のコンパクト正規開部分群が存在する。