という話があります.そのことが窺える例(状況証拠?)をふたつ紹介します.
となるものが存在する.各
となるものが存在する.そこで
とおく.このとき
となるものが存在する.そこで
とおくと,
ハウスドルフの分離公理に対応して次が成り立ちます.
仮定より
有限個のコンパクト集合の和集合はまたコンパクトであることに注意すると,上の命題は有限個の互いに交わらないコンパクト集合に対しても成り立つことがわかります.このことは「ハウスドルフ空間の有限個の点は互いに交わらない開近傍を持つ」という命題に対応するものと言えます.
ハウスドルフ空間の1点集合は閉集合となります.このことに対応して次が成り立ちます.
ハウスドルフ空間のコンパクト集合は閉集合である.
(初学の頃,「コンパクト空間の閉集合はコンパクトである」という命題とごっちゃになって混乱した覚えがあります.「ハウスドルフ空間のコンパクト集合は点」と標語的に覚えておくと思い出すときの助けになるかもしれません.)
コンパクト空間の閉集合はコンパクトである.
よって
命題2と合わせて次の定理が得られます.
コンパクトハウスドルフ空間は正規である.
補題3より