3

「平方剰余が連続する」箇所の数は?

478
0

こんにちは.

今回は, 平方剰余で遊んでみようと思います.

平方剰余とは

amod pで平方剰余であるとは, x2amodpなるxが存在することを言います. そうでないとき, 平方非剰余であると言います.

以下, a=0を含めると色々と面倒なので, 0以外の平方剰余を考えます.

x2y2x±yより, pが奇素数ならば12,22,,(p1)2の中に2つずつ等しいものがあるので, 平方剰余はp12個、平方非剰余もp12個あることがわかります.

具体的には次の表のようになります. (赤字が平方剰余)

p
31,2
51,2,3,4
71,2,3,4,5,6
111,2,3,4,5,6,7,8,9,10
131,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12
171,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16
191,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18

他の性質として,
・平方剰余の積は平方剰余
p1が平方剰余p4n+1型の素数
・従って上の表はp4n+1型のとき左右対称
2が平方剰余p8n±1型の素数
p4n+3型のとき, 平方剰余は前半の方に多い
などが知られています.

Gauss和

平方剰余記号(ap)を, aが平方剰余のとき1, そうでないとき1と定めます. 例えば(1p)=(1)p12, (2p)=(1)p218などが成り立ちます.

Gauss和Gp

Gp=a=1p1(ap)ζpa

と定めます. ただしζp=exp2πipです.

この時, Gp2=(1)p12pが成り立つことが知られています. (例えば、子葉さんの こちらの記事 を参照)

Gauss和を分ける

Gauss和を, 係数が1の項と1の項で分けることを考えます. 以下, 和の中身はFp内で考えることにします.

α=a:平方剰余ζpa
β=b:平方非剰余ζpb

すると, α+β=a0ζpa=1, αβ=Gpが成り立ちます.

従ってαβ=1Gp24=1(1)p12p4なので, α,β2次方程式

x2+x+1(1)p12p4=0

2解になっています.

平方剰余の和

N1(k)=#{(a,a)| a+ak,a,aは平方剰余}
N2(k)=#{(a,b)| a+bk,aは平方剰余,bは平方非剰余}
N3(k)=#{(b,b)| b+bk,b,bは平方非剰余}

とおくと,

α2=k=0p1N1(k)ζpk
αβ=k=0p1N2(k)ζpk
β2=k=0p1N3(k)ζpk

となります. またk=0は簡単に求めることができて,

N1(0)=#{(a,a)| a,aは平方剰余}={p12(1p)=1のとき0(1p)=1のとき=1+(1)p122p12
同様に
N2(0)=1(1)p122p12
N3(0)=1+(1)p122p12

係数を比べる

{ζp,ζp2,,ζpp1}Q上独立なので,

α2=α1(1)p12p4即ち
k=0p1N1(k)ζpk=a:平方剰余ζpa1(1)p12p4
の両辺のζpkの係数を比べることでN1(k)を求めることができます.
1ζpkの係数は1であることに注意して,
N1(k)N1(0)=1+(kp)2+1(1)p12p4

同様に, αβ=1(1)p12p4より
N2(k)N2(0)=1(1)p12p4

β2=β1(1)p12p4より
N3(k)N3(0)=1(kp)2+1(1)p12p4

以上より,

N1(k)=p(1)p1241+(kp)2
N2(k)=p+(1)p1224
N3(k)=p(1)p1241(kp)2

「平方剰余が連続する」

もう一度定義を思い出します.

N1(k)=#{(a,a)| a+ak,a,aは平方剰余}
N2(k)=#{(a,b)| a+bk,aは平方剰余,bは平方非剰余}
N3(k)=#{(b,b)| b+bk,b,bは平方非剰余}

平方剰余, 非剰余が連続する箇所の数を
np=#{(a,a)| aa1,a,aは平方剰余}
np=#{(b,b)| bb1,b,bは平方非剰余}
とおくと, これらはN1(k)たちを用いて表せます.

(1p)=1つまりp4n+1型のとき, aが平方剰余aが平方剰余
(1p)=1つまりp4n+3型のとき, aが平方剰余aが平方非剰余
なので,

np={N1(1)p=4n+1N2(1)p=4n+3

np={N3(1)p=4n+1N2(1)p=4n+3

従って

p=4n+1のとき
平方剰余が連続する箇所は, p54
平方非剰余が連続する箇所は, p14
p=4n+3のとき
平方剰余が連続する箇所は, p34
平方非剰余が連続する箇所は, p34

平方剰余が連続する箇所の数は, p41に最も近い整数であることがわかりました.

p連続数
31,20
51,2,3,40
71,2,3,4,5,61
111,2,3,4,5,6,7,8,9,102
131,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,122
171,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,163
191,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,184

ちなみに, n12個の〇とn12個の×をランダムに並べたとき, 〇が連続する箇所の数の期待値はn34になるので, この意味では平方剰余の分布はかなりランダムになっているとも言えそうです.

投稿日:2024131
OptHub AI Competition

この記事を高評価した人

高評価したユーザはいません

この記事に送られたバッジ

バッジはありません。
バッチを贈って投稿者を応援しよう

バッチを贈ると投稿者に現金やAmazonのギフトカードが還元されます。

投稿者

東大理数B4です

コメント

他の人のコメント

コメントはありません。
読み込み中...
読み込み中
  1. 平方剰余とは
  2. Gauss和
  3. Gauss和を分ける
  4. 平方剰余の和
  5. 係数を比べる
  6. 「平方剰余が連続する」