一般に,開集合族の交叉(resp. 閉集合族の合併)は開集合(resp. 閉集合)になるとは限りません.たとえば
に類する例は「集合と位相」の教科書に必ずと言ってよいほど載っていることと思います.
本記事では開集合族に対してが開集合となるための,或いは閉集合族に対してが閉集合となるための十分条件を紹介します.
開集合族の交叉が開集合となるとき
を位相空間とし,をの開集合族とする.
が開集合であるとき,を連続的に添字づけられた開集合族という.
を位相空間とし,を連続的に添字づけられた開集合族とする.このとき,がコンパクト空間ならば,は開集合である.
有限集合は離散位相によりコンパクトとなるので,この命題は「有限個の開集合の交叉はまた開集合となる」ことの一般化と言える.
がコンパクトであることから,射影は閉写像である.とおくと,これは開集合であるから,
は開集合である.
命題1の
を連続作用とする.このとき,任意の開集合とコンパクト集合に対して
は開集合である.
閉集合族の合併が閉集合となるとき
を位相空間とし,をの閉集合族とする.
が閉集合であるとき,を連続的に添字づけられた閉集合族という.
を位相空間とし,を連続的に添字づけられた閉集合族とする.このとき,がコンパクト空間ならば,は閉集合である.
よりは連続的に添字づけられた開集合族である.よって命題1より
は開集合であるから,は閉集合である.
を位相空間とし,をその部分集合族とする.任意のに対して,その開近傍であって
となるものが存在するとき,は局所有限であるという.
を位相空間とし,をその閉集合族とする.このとき,が局所有限ならば,は閉集合である.
とする.仮定よりの開近傍であって
となるものが存在する.このときはの開近傍であってを満たす.よってが成り立つ.