次の問題を考えます。
このゲームで成功する確率を
(2)は考え方的には独立しているので省略しました。
(3)の予備校等の出す解答(東工大の想定している解法?)は非常に長く乱雑で、試験本番でミスなく書けるかと言われると厳しいです。ですが、紹介する母関数という多項式の問題に帰着させるテクニックを使うことで本セット最難問であろうこの問題をあっさり解くことができます。
わざわざ母関数という言葉を持ち出さずとも解ける問題ではありますが、母関数を初めて知った人のためにあえて書きます。
なぜこの解法が上手くいくのでしょうか。
特に、多項式の係数とN回表が出る確率が対応するのはなぜでしょうか。そもそもの話、求めたい確率は以下のものです。
ここで、以下の式を考えてください。
特に、
また
である。あとは
よって、求める答えは以下のようになる。
あっさり解けちゃいましたね。
このような問題は多項式の問題に帰着させることで発想が要らなくなり、計算量が大幅に少なくできます。
私は入試本番もこの解法で解きましたが、開示を見たらちゃんと点数が来ていたので特に問題ないと思われます。
誰かこういう記事を上げるだろうなと思っていたのですが(Twitterなどを見る限り同様の解法を思いついた人はいるっぽい)実際の解答を載せている人は軽く探した限りいなかったのでmathlogに載せてみました。
ちなみにですが、このテクニックは2023東工大数学大問3でも使えます。
母関数をもっと知りたい方へ
https://mathlog.info/articles/2628
https://mathlog.info/articles/377
https://x.com/keisankionwykip/status/1591413396339314688?s=46&t=gcnkU9RlPJrASRER34fVjQ