この記事では, お受験のときの極限の問題で役に立つかもしれない, ランダウのオミクロン記号について説明しようと思います.
簡潔になるようにがんばりたいと思います.
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オミクロン記号は, 次のように定義されます.
また, $x\to a$の場合も同様の式で定義されます.
これは感覚的には, $f(x)=o(g(x))$ は$f$は$g$よりもとても小さいこと, $f(x)=O(g(x))$ は$f$と$g$はだいたい同じくらいの大きさであること, を表しているような感じです.
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また最後に, これもよく使うことがあるので知っておくと良いです.
これは, $f(x)$と$g(x)$がほぼ同じ大きさであることを表していると思えば良いです.
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いくつか例を挙げます. 基本的に$g(x)$は$x^n$の形にすることが多いです.
$x\to\infty$のとき,
$$\beq
&&2x^3+3x+\sin x=O(x^3)\\
&&\frac1x=o(1)\\
&&\log x=o(x^{\epsilon})\ \ \ (\epsilon>0)\\
&&x+\sqrt{x^2+1}\sim 2x
\eeq$$
$x\to0$のときは, 次の式が重要です. $f(x)$は原点で連続微分可能として,
これはもう, 微分の定義のようなものですね.
あとは, $O(x)$は$O(x^2)$ですが$O(x^2)$は$O(x)$ではないことに注意してください.
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$\hspace{0.5cm}$$(1)$$\ds\limn\big(\sqrt{n^2+n}-n\big)$
$\ds\sqrt{n^2+n}=n\sqrt{1+\frac1n}$ と書きます. $n\to\infty$で$\ds\frac1n\to0$であることと, $x\to0$で$\ds\sqrt{1+x}=1+\frac x2+O(x^2)$であることから, $\ds\sqrt{1+\frac1n}=1+\frac1{2n}+O\Big(\frac1{n^2}\Big)$です. 従って,
$$\beq
\ds\sqrt{n^2+n}-n&=&n\Big(1+\frac1{2n}+O\Big(\frac1{n^2}\Big)\Big)-n\\
&=&\frac12+O\big(\frac1n\big)\\
&\to&\frac12
\eeq$$
となります.
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$\hspace{0.5cm}$$(2)$$\ds\limn n\Big(\big(1+\frac1n\big)^n-e\Big)$
こちらの記事 を参照してください.
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読んで下さった方, ありがとうございました.
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