この記事では,に関する問題をいくつか紹介します。有名なものや自作問題です。出典が分かるものについては記載しています。なお,この記事では解答を与えていません。お気持ちだけ述べています。
問題リスト
非常に有名な問題
定点から次関数に向かって本の接線を引くことが出来るような,点の存在する領域を図示しなさい。
2009,筑波大学
次の問いに答えよ。
⑴ 等式を示せ。
⑵ は,方程式の解であることを示せ。
⑶ となる角度を求めよ。ただしとする。
自作?さっきの筑波の一般化
を実数とし,次方程式を考える。次の問いに答えよ。
⑴ が異なるつの実数解を持つとき,のとり得る値の範囲を求めよ。
⑵ ⑴のとき,異なるつの実数解を とする。またそのうちのつの解はで表されるとする。()
① をを用いて表せ。
② の範囲を求めよ。
1991,東京大学
定数に対して,次方程式の実数解の中で最大のものと最小のものとの積をとする。ただし,実数解がただひとつのときには,その乗をとする。
⑴ がすべての実数を動くとき,の最小値を求めよ。
⑵ のグラフを書け。
以下,お気持ち表明です。
図形との対応
この問題は次のグラフの交点を求めることに等しいです。(なんなら,この図を見てもらいたいがために記事にしました。)
3次関数と円
(四角形は,一辺の正方形です。)
ということはつまり,先の連立方程式の解は組あるということが見て取れます。また,その座標や座標を,やで表してみるのも面白いですね。
ちなみに,昔
こんなプリント
を作ったことがあります。
この点は通らねェよォ!!
非常に有名な問題
定点から次関数に向かって本の接線を引くことが出来るような,点の存在する領域を図示しなさい。
東進の数学の先生がこの問題を説明している動画があり,その動画自体は非常に有名ですが,問題が取り上げられることは少ないと思います。
いくつかその先生が言っていることを文字起こししてみました。
「だからぁ,この点とこの点とこの点が出るわけだ。この点は出ねぇよぉ!!を通らねぇ接線なんだから。」
「所詮,手際よく解けるように作られた入試問題という箱庭の中でしかぁ,生きていけない解答に過ぎないんだ。」
この問題を解いた後にその動画を見ると,ネタに出来ないくらい非常に分かりやすいのです。
倍角?
2009,筑波大学
次の問いに答えよ。
⑴ 等式を示せ。
⑵ は,方程式の解であることを示せ。
⑶ となる角度を求めよ。ただしとする。
先ほども,円が絡んできましたが,というのは,3倍角との親和性が非常に高いです。理由はこの問題を解けば分かります。初めてこういう問題を解く人は,「こんな次方程式も解けるんだ!」と思わされますね。(ところで,なんで暗黙のうちに,の解の絶対値は未満であると認めているのでしょうかね。。。)
やや一般化
自作?さっきの筑波の一般化
を実数とし,次方程式を考える。次の問いに答えよ。
⑴ が異なるつの実数解を持つとき,のとり得る値の範囲を求めよ。
⑵ ⑴のとき,異なるつの実数解を とする。またそのうちのつの解はで表されるとする。()
① をを用いて表せ。
② の範囲を求めよ。
筑波の問題では,としていましたが,ここではを定数として,より広い状況で考えてもらいます。ちなみに⑵の②は,
この記事の問題
を考えているときに求めてみたくなったものです。
なんなんだこの問題シリーズ
1991,東京大学
定数に対して,次方程式の実数解の中で最大のものと最小のものとの積をとする。ただし,実数解がただひとつのときには,その乗をとする。
⑴ がすべての実数を動くとき,の最小値を求めよ。
⑵ のグラフを書け。
やっぱりこの問題は,いつみても不思議です。だって⑵が分かれば⑴も自明なのだから。ということは,⑴をヒントにグラフを書けとでも言っているのでしょうか?(実際そうなのでしょう。)
しかも,⑵ではどこまで増減を調べれば(2階微分はすべきか)良いのかが明示されていないので少し困ります。(ま,1階微分しようと思ってもかなりキツい計算なので,2階微分しようと思わないんですけど。。。)
ちなみに答えのグラフは,見た目的にイラってします。ぜひ考えてみてください。