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x^3-3xは美しい

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y=x33x

この記事では,x33xに関する問題をいくつか紹介します。有名なものや自作問題です。出典が分かるものについては記載しています。なお,この記事では解答を与えていません。お気持ちだけ述べています。

問題リスト

一応自作,有名かも?

x,yを実数とする。連立方程式
{y=x33xx2+y2=4
を解きなさい。

非常に有名な問題

定点Pから3次関数y=x33xに向かって3本の接線を引くことが出来るような,点Pの存在する領域を図示しなさい。

2009,筑波大学

次の問いに答えよ。
⑴ 等式cos3θ=4cos3θ3cosθを示せ。
⑵ 2cos80は,方程式x33x+1=0の解であることを示せ。
⑶ x33x+1=(x2cos80)(x2cosα)(x2cosβ)となる角度α,βを求めよ。ただし0<α<β<180とする。

自作?さっきの筑波の一般化

pを実数とし,3次方程式x33xp=0()を考える。次の問いに答えよ。
⑴ ()が異なる3つの実数解を持つとき,pのとり得る値の範囲を求めよ。
⑵ ⑴のとき,異なる3つの実数解をα,β,γ (α<β<γ)とする。またそのうちの1つの解はx=2cosθで表されるとする。(π6<θ<π6
① α,β,γθを用いて表せ。
② |3α23|+|3β23|+|3γ23|の範囲を求めよ。

1991,東京大学

定数pに対して,3次方程式x33xp0の実数解の中で最大のものと最小のものとの積をf(p)とする。ただし,実数解がただひとつのときには,その2乗をf(p)とする。
⑴ pがすべての実数を動くとき,f(p)の最小値を求めよ。
⑵ y=f(p)のグラフを書け。

以下,お気持ち表明です。
a
a
a
a
a

図形との対応

一応自作,有名かも?

x,yを実数とする。連立方程式
{y=x33xx2+y2=4
を解きなさい。

この問題は次のグラフの交点を求めることに等しいです。(なんなら,この図を見てもらいたいがために記事にしました。

3次関数と円 3次関数と円
(四角形は,一辺4の正方形です。)

ということはつまり,先の連立方程式の解は6組あるということが見て取れます。また,そのx座標やy座標を,cossinで表してみるのも面白いですね。

ちなみに,昔 こんなプリント を作ったことがあります。

この点は通らねェよォ!!

非常に有名な問題

定点Pから3次関数y=x33xに向かって3本の接線を引くことが出来るような,点Pの存在する領域を図示しなさい。

東進の数学の先生がこの問題を説明している動画があり,その動画自体は非常に有名ですが,問題が取り上げられることは少ないと思います。

いくつかその先生が言っていることを文字起こししてみました。

「だからぁ,この点とこの点とこの点が出るわけだ。この点は出ねぇよぉ!!(a,b)を通らねぇ接線なんだから。」
「所詮,手際よく解けるように作られた入試問題という箱庭の中でしかぁ,生きていけない解答に過ぎないんだ。」

この問題を解いた後にその動画を見ると,ネタに出来ないくらい非常に分かりやすいのです。

3倍角?

2009,筑波大学

次の問いに答えよ。
⑴ 等式cos3θ=4cos3θ3cosθを示せ。
⑵ 2cos80は,方程式x33x+1=0の解であることを示せ。
⑶ x33x+1=(x2cos80)(x2cosα)(x2cosβ)となる角度α,βを求めよ。ただし0<α<β<180とする。

先ほども,円が絡んできましたが,x33xというのは,3倍角との親和性が非常に高いです。理由はこの問題を解けば分かります。初めてこういう問題を解く人は,「こんな3次方程式も解けるんだ!」と思わされますね。(ところで,なんで暗黙のうちに,x33x+1=0の解の絶対値は2未満であると認めているのでしょうかね。。。)

やや一般化

自作?さっきの筑波の一般化

pを実数とし,3次方程式x33xp=0()を考える。次の問いに答えよ。
⑴ ()が異なる3つの実数解を持つとき,pのとり得る値の範囲を求めよ。
⑵ ⑴のとき,異なる3つの実数解をα,β,γ (α<β<γ)とする。またそのうちの1つの解はx=2cosθで表されるとする。(π6<θ<π6
① α,β,γθを用いて表せ。
② |3α23|+|3β23|+|3γ23|の範囲を求めよ。

筑波の問題では,p=1としていましたが,ここではpを定数として,より広い状況で考えてもらいます。ちなみに⑵の②は, この記事の問題 を考えているときに求めてみたくなったものです。

なんなんだこの問題シリーズ

1991,東京大学

定数pに対して,3次方程式x33xp0の実数解の中で最大のものと最小のものとの積をf(p)とする。ただし,実数解がただひとつのときには,その2乗をf(p)とする。
⑴ pがすべての実数を動くとき,f(p)の最小値を求めよ。
⑵ y=f(p)のグラフを書け。

やっぱりこの問題は,いつみても不思議です。だって⑵が分かれば⑴も自明なのだから。ということは,⑴をヒントにグラフを書けとでも言っているのでしょうか?(実際そうなのでしょう。)

しかも,⑵ではどこまで増減を調べれば(2階微分はすべきか)良いのかが明示されていないので少し困ります。(ま,1階微分しようと思ってもかなりキツい計算なので,2階微分しようと思わないんですけど。。。)

ちなみに答えのグラフは,見た目的にイラってします。ぜひ考えてみてください。

投稿日:20201117
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ぱるち
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数学屋さんをしています。代数,数論系に興味があり,今は楕円曲線と戯れています。Mathlogは現実逃避用という噂もあります。@f_d00123

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