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シャッフル積と反復ベータ積分

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NKSμさんから教わったことを一部 書き残します。

シャッフル積

(0xf(t)dt)(0xg(s)ds)=0<t<s<xf(t)g(s)dtds+0<s<t<xg(s)f(t)dsdt

0xf(t)dt=F(x)F(0)0xg(s)ds=G(x)G(0)
とする
0xg(s)ds0sf(t)dt
=0xg(s)(F(s)F(0))ds=G(x)(F(x)F(0))0xG(s)f(s)ds=G(x)(F(x)F(0))0xf(s)(G(s)G(0))ds(F(x)F(0))G(0)=(G(x)G(0))(F(x)F(0))0xf(t)0tg(s)dsdt
より成り立つ

これは3つの積4つの積にも同じようなことができます。
2つの場合,範囲は
(0<t1<t2<x),(0<t2<t1<x)
でしたね。
3つの場合は
(0<t1<t2<t3<x),(0<t1<t3<t2<x)(0<t2<t1<t3<x),(0<t2<t3<t1<x)(0<t3<t1<t2<x),(0<t3<t2<t1<x)
の6つになります。
これで気づく方もいると思いますが
[0,x]間の{t_1,t_2,t_3}を重複無しで並べた集合が範囲になります。
4つ以上になると4!通りあるので
4!個の積分の和になります。
これが一般のnで成り立つことは数学的帰納法で証明できると思います。(示してないのでできるかわからないです)

(0xf(t)dt)n=n!0<t1<t2...<tn<xf(t1)dt1f(t2)dt2...f(tn)dtn

これは先程範囲の説明からn!個の積分の和になることがわかりますね。
被積分関数が全て等しいのでそれらn!個の積分は全て等しくなるためこれが成り立ちます。(証明略)

0<s<t<u<xf(s)g(t)h(u)dsdtdu=0<s<u<xf(s)(g(u)g(s))h(u)dsdu

単純に区間通り積分しただけです。

反復ベータ積分

https://mathlog.info/books/6/376

この記事に書いてあるLemma2.1
が反復ベータ積分というものらしいです。
黒イトさんからは次の形を教えてもらいました。

0xt2n11t2dt=12nβnnmβmx2m1x20xt2n1t2dt=βnn<m12mβmx2m11x2βn:=(2nn)22n

使い方

(0xdt1t2)2=arcsin2x
これはすぐにわかりますね
では先程の反復ベータ積分を使って級数展開をしていきます。
20<s<t<xds1s2dt1t2
=0<n1nβn0xt2n1dt=0<nx2n2n2βn
arcsin2x=12n=1x2nn2βn
これの超幾何級数による証明は知っていましたがこのように積分を通して簡単に級数展開できることを知れて世界が広まったように感じます。
コーシー積なんかよりもこちらの方が圧倒的に自由度が高いと感じます。
どんな事もまずは手を動かすことが重要だと思うので興味ある方は自分で色々と弄ってみると良いと思います。
黒イトさんはarcsin^nの級数展開が良い練習問題になると言っていました。
僕はまだ偶数乗しか求められていないです。

投稿日:20231023
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KBHM
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