以前書いた こちら の記事で扱った式がちょうど OMC の問題に使える形だったので、使ってみます。
以前の記事では、以下の等式を示しました。
ただし、
OMCE005(E)の問題文全体は
こちら
をご覧下さい。問題中に、
という式が登場します。
さっそく命題1を使ってみます。
となります。変形はできましたが、これだけでは何かが分かったという感じはしませんね。さらに考えていきます。
ちなみに、これは「シューア多項式」と呼ばれる多項式の一種なのですが(→
参考
)、私は名前を知っているだけで特に詳しくないので、普通に頑張って考えてみます。
が成り立ちます。
が成り立つことが分かります。両辺に
も成り立ちます。これを漸化式として用いて
係数が
となりますが、第
に等しいことが分かります。命題1を用いた結果と合わせれば、
が得られます。
ちょっと面倒でしたが、公式解説と同じ式が得られました。公式解説より少しは楽をすることができた……んですかね?
せっかくなので、シューア多項式について調べてみました。完全に付け焼き刃ですが、計算手順を書いてみます。
こちら
や
こちら
を参考にしました。
まず、完全対称式を導入します。
で定める。
(
つまり、
という感じです。
非負整数列
と書くことにします。また、
と定めます。
と定め、これを
ここで、
先ほどの考察の中で現れた
は、列を入れ替えることで、
シューア多項式の計算方法はいくつかあるらしいのですが、以下のものを使ってみます。
対角成分の添え字が
となることが分かります。したがって、OMCE005(E) で求めていた値は実は
今回の結果は更に一般化することができますね。
分子の指数が
いや、それにしても驚きました。まさかあの等式に関係する問題がOMCで出るとは。
ではまた。