本記事は
Wataru
様の次の記事
二項定理のmod 4類似
で触れられていた内容について考えてみた記事となります。
本記事をご覧になる前に
そちら
からご一読頂ければ幸いです。
※なお、元記事では多項式を降べきに並べていますが、本記事では使い勝手および筆者の慣れの関係で昇べきで検討しています。
二項定理について
これは二項係数についた符号がすべて正ですが、
正と負が交互に並ぶようにした
も
これらの類似として、元記事では次の結果が示されています。
※降べき順→昇べき順での差異を筆者にて調整
これは
と、符号が
定理のような積の形での表示が存在するという結果です。
本記事ではどのような符号の並びであれば上記に類似した結果が得られるのかを検討します。
符号の部分を係数として一般化し、次の多項式を考える。
この
線形代数の一般論などにより
ここで各
この表示を
整理すると
有限和の順序を入れ替えると
となる。まとめると次のようになる
は閉じた表示
を持つ。ここで各
ここまでの結果から、係数の周期
を考えることとなる。(
これは初等的な分解を因数分解を持たないと考えられる。
より大きな
(※本当に持たないかは本記事では触れませんが多分ないのでは)
一方で
と書けるのであれば、これは
因数分解を書き下すことができる。
(定理2もこの形に帰着していることが元記事での計算から見て取れる)
このとき
と書けることから、隣接
より小さな隣接3項間漸化式
を満たす。この漸化式の特性方程式を考えると
とあらわすことにすると
元々
漸化式
多項式
数列
整数係数の多項式でなければならないので
多項式の次数が2の円分多項式
の3種類しかないので
のいずれかであるか、または
円分多項式の積まで考えて
元の問題に立ちかえって、
また、符号として
(シフトと正負反転をのぞく)これ以外の符号(または
付き方では対応する漸化式の特性多項式の次数が2次より大きく
なるため、元の問題は簡単な因数分解をもたないと考えられる。
より一般に実数係数を許す場合には1の
その複素共役
と書ける
周期
は
を満たすとき積表示を持つ。(十分条件)
周期
は以下の場合と、そのシフトの場合に積表示を持つ。
また
とそのシフト、正負の反転およびその組み合わせの場合に積表示を持つ。
因数分解可能な場合を把握したので、実際に因数分解がどうなるかを計算する。
次の場合を考える。
この漸化式を満たす数列
と書けるので
2つ目の式から
なので
ゆえ
について
この時
よって因数定理より定数
と因数分解できる。
以上から次が得られる
これは定理5の
これは定理5の
もう少し計算可能なパターンが多ければもっと楽しかったように思うが
そうは問屋が卸してくれなかった。
本記事では計算量を抑えるため
より一般の場合についても
変わるだけなので、その時の係数の偏角を考慮すれば本記事と
同じように計算が可能である。
定理5では、右辺の
適切な