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写像 ⑤

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$$$$

像を取ってから逆像を取ると、もとの集合は必ず戻ってくる。
ただし、余分な元まで戻ってくることがある(´・ω・`)
$ $
一方、逆像を取ってから像を取ると、
もとの集合より大きくなることはなく、実際に値として現れない元は消える。

Prop&Proof

$A,B$ を集合とし、$f:A\to B$ を写像とする。
このとき、任意の $X\subseteq A$ に対して、
$$ X\subseteq f^{-1}(f(X)) $$
が成り立つ。

$X\subseteq A$ であるから、像の定義より $f(X)\subseteq B$ である。
したがって、$f^{-1}(f(X))$ は定義される。
$ $
任意に $X\subseteq A$ をとり、任意に $x\in X$ をとる。
$X\subseteq A$ であるから、
$$ x\in A $$
である。
また、部分集合の像の定義より、
$$ f(x)\in f(X) $$
である。
したがって、逆像の定義より、
$$ x\in f^{-1}(f(X)) $$
である。
$x\in X$ は任意であったから、
$$ X\subseteq f^{-1}(f(X)) $$
である。
$$ \Box$$

もとの集合は必ず戻ってくる

$x\in X$ ならば、$f(x)$ は必ず $f(X)$ に属する。
したがって、$x$$f(X)$ の逆像に属する。
すなわち、
$$ X\subseteq f^{-1}(f(X)) $$
である。

等号になるとは限らない

一般には、
$$ X=f^{-1}(f(X)) $$
とは限らない。
$X$ の外側の元が $X$ の元と同じ値に写る場合、その外側の元も $f^{-1}(f(X))$ に属するからである。
たとえば、$f:\mathbb R\to\mathbb R$
$$ f(x)=x^2 $$
で定め、
$$ X=\{1\} $$
とする。
このとき、
$$ f(X)=\{1\} $$
であるが、
$$ f^{-1}(f(X))=f^{-1}(\{1\})=\{-1,1\} $$
である。
したがって、
$$ X\ne f^{-1}(f(X)) $$
である。

単射(今後定義する)の場合

$f:A\to B$ が単射であれば、任意の $X\subseteq A$ に対して、
$$ X=f^{-1}(f(X)) $$
が成り立つ。
これは、$X$ の外側の元が $X$ の元と同じ値に写ることがないためである。

$A,B$ を集合とし、$f:A\to B$ を写像とする。
このとき、任意の $Y\subseteq B$ に対して、
$$ f(f^{-1}(Y))\subseteq Y $$
が成り立つ。

$Y\subseteq B$ であるから、逆像の定義より $f^{-1}(Y)\subseteq A$ である。
したがって、$f(f^{-1}(Y))$ は定義される。
$ $
任意に $Y\subseteq B$ をとり、任意に $y\in f(f^{-1}(Y))$ をとる。
部分集合の像の定義より、ある $a\in f^{-1}(Y)$ が存在して、
$$ y=f(a) $$
である。
また、$a\in f^{-1}(Y)$ であるから、逆像の定義より、
$$ f(a)\in Y $$
である。
$y=f(a)$ であるから、
$$ y\in Y $$
である。
$y\in f(f^{-1}(Y))$ は任意であったから、
$$ f(f^{-1}(Y))\subseteq Y $$
である。
$$ \Box$$

像に戻すと小さくなる

$f^{-1}(Y)$ は、$Y$ に写る入力全体である。
したがって、それを再び $f$ で写すと、必ず $Y$ の中に入る。
すなわち、
$$ f(f^{-1}(Y))\subseteq Y $$
である。

等号になるとは限らない

一般には、
$$ f(f^{-1}(Y))=Y $$
とは限らない。
$Y$ の中に $f$ の値として実際には現れない元がある場合、その元は $f(f^{-1}(Y))$ には現れない。
より正確には、
$$ f(f^{-1}(Y))=Y\cap\operatorname{Im}(f) $$
である。
したがって、
$$ f(f^{-1}(Y))=Y $$
が成り立つことは、
$$ Y\subseteq\operatorname{Im}(f) $$
が成り立つことと同値である( 証明はコチラ )。

$A,B$ を集合とし、$f:A\to B$ を写像とする。
このとき、任意の $Y\subseteq B$ に対して、
$$ f(f^{-1}(Y))=Y\cap\operatorname{Im}(f) $$
が成り立つ。

任意に $Y\subseteq B$ をとる。
集合の相等を示すために、両包含を示す。

  1. $f(f^{-1}(Y))\subseteq Y\cap\operatorname{Im}(f)$ を示す。
    任意に $y\in f(f^{-1}(Y))$ をとる。
    部分集合の像の定義より、ある $a\in f^{-1}(Y)$ が存在して、
    $$ y=f(a) $$
    である。
    $a\in f^{-1}(Y)$ であるから、逆像の定義より、
    $$ f(a)\in Y $$
    である。
    よって、$y=f(a)$ より、
    $$ y\in Y $$
    である。
    また、逆像の定義より $f^{-1}(Y)\subseteq A$ であるから、
    $$ a\in A $$
    である。
    したがって、写像の像の定義より、
    $$ f(a)\in\operatorname{Im}(f) $$
    である。
    $y=f(a)$ であるから、
    $$ y\in\operatorname{Im}(f) $$
    である。ゆえに、
    $$ y\in Y\cap\operatorname{Im}(f) $$
    である。
    $y\in f(f^{-1}(Y))$ は任意であったから、
    $$ f(f^{-1}(Y))\subseteq Y\cap\operatorname{Im}(f) $$
    である。
    $ $
  2. $Y\cap\operatorname{Im}(f)\subseteq f(f^{-1}(Y))$ を示す。
    任意に $y\in Y\cap\operatorname{Im}(f)$ をとる。
    このとき、
    $$ y\in Y \quad\text{かつ}\quad y\in\operatorname{Im}(f) $$
    である。
    $y\in\operatorname{Im}(f)$ であるから、写像の像の定義より、ある $a\in A$ が存在して、
    $$ y=f(a) $$
    である。
    また、$y\in Y$ であり、$y=f(a)$ であるから、
    $$ f(a)\in Y $$
    である。
    逆像の定義より、
    $$ a\in f^{-1}(Y) $$
    である。
    したがって、部分集合の像の定義より、
    $$ f(a)\in f(f^{-1}(Y)) $$
    である。
    $y=f(a)$ であるから、
    $$ y\in f(f^{-1}(Y)) $$
    である。
    $y\in Y\cap\operatorname{Im}(f)$ は任意であったから、
    $$ Y\cap\operatorname{Im}(f)\subseteq f(f^{-1}(Y)) $$
    である。

-以上より、
$$ f(f^{-1}(Y))=Y\cap\operatorname{Im}(f) $$
である。
$$ \Box$$

全射(今後定義する)の場合

$f$ が全射であれば、
$$ \operatorname{Im}(f)=B $$
である。
このとき、任意の $Y\subseteq B$ に対して、
$$ Y\cap\operatorname{Im}(f) = Y\cap B = Y $$
である。したがって、
$$ f(f^{-1}(Y))=Y $$
が成り立つ。

投稿日:18日前
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投稿者

Kagura
Kagura
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■ 分野を問わず数学の証明が好きです。あとで自分が読み返したときに、きちんと理解できるノートを作ることを心がけています。不定期に過去のノートを確認し、修正&更新 (追加&削除) しています。定義、命題、証明などに誤りや不正確な点がございましたら、ご指摘いただけますと幸いです(2025年12月28日)。

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