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集合 ➃

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Def.

定義 和集合【union】

全体集合$U$$1$つ固定し、$A,B\subseteq U$とする。このとき、$A$$B$の和集合$A\cup B$を次で定義する。
$$ A\cup B:=\{x\in U\mid x\in A\ \lor\ x\in B\} $$

和集合の同値な特徴付け

任意の$x\in U$について
$$ x\in A\cup B\ \Leftrightarrow\ (x\in A\ \lor\ x\in B) $$
が成り立つ。

定義 共通部分【intersection】

全体集合$U$$1$つ固定し、$A,B\subseteq U$とする。このとき、$A$$B$の共通部分$A\cap B$を次で定義する。
$$ A\cap B:=\{x\in U\mid x\in A\ \land\ x\in B\} $$

共通部分の同値な特徴付け

任意の$x\in U$について
$$ x\in A\cap B\ \Leftrightarrow\ (x\in A\ \land\ x\in B) $$
が成り立つ。

Prop & Proof

集合$U$を全体集合とし、$A\subseteq U$とする。このとき次が成り立つ。
$$ A\cup A = A $$

集合の等号を示すため、$A\cup A\subseteq A$$A\subseteq A\cup A$を示す。

  1. $A\cup A\subseteq A$を示す。
    任意の$x\in U$を取る。$x\in A\cup A$を仮定する。
    和集合の定義より
    $$ x\in A\cup A\ \Leftrightarrow\ (x\in A\lor x\in A) $$
    であるから、$x\in A\lor x\in A$が成り立つ。
    命題論理より$(P\lor P)\Leftrightarrow P$が成り立つから、$x\in A$が従う。
    よって任意の$x\in U$について$(x\in A\cup A\Rightarrow x\in A)$が成り立つ。従って$A\cup A\subseteq A$である。
    $ $
  2. $A\subseteq A\cup A$を示す。
    任意の$x\in U$を取る。$x\in A$を仮定する。
    このとき命題論理より$(P\lor P)\Leftrightarrow P$であるから$x\in A\lor x\in A$が成り立つ。
    従って和集合の定義より$x\in A\cup A$が従う。
    よって任意の$x\in U$について$(x\in A\Rightarrow x\in A\cup A)$が成り立つ。従って$A\subseteq A\cup A$である。
    $ $

-以上より$A\cup A\subseteq A$かつ$A\subseteq A\cup A$であるから$A\cup A=A$が成り立つ。
$$ \Box$$

集合$U$を全体集合とし、$A\subseteq U$とする。このとき次が成り立つ。
$$ A\cap A = A $$

集合の等号を示すため、$A\cap A\subseteq A$$A\subseteq A\cap A$を示す。

  1. $A\cap A\subseteq A$を示す。
    任意の$x\in U$を取る。$x\in A\cap A$を仮定する。
    共通部分の定義より
    $$ x\in A\cap A\ \Leftrightarrow\ (x\in A\land x\in A) $$
    であるから、$x\in A\land x\in A$が成り立つ。従って$x\in A$が従う。
    よって任意の$x\in U$について$(x\in A\cap A\Rightarrow x\in A)$が成り立つ。従って$A\cap A\subseteq A$である。
    $ $
  2. $A\subseteq A\cap A$を示す。
    任意の$x\in U$を取る。$x\in A$を仮定する。
    このとき$x\in A\land x\in A$が成り立つ。従って共通部分の定義より$x\in A\cap A$が従う。
    よって任意の$x\in U$について$(x\in A\Rightarrow x\in A\cap A)$が成り立つ。従って$A\subseteq A\cap A$である。
    $ $

-以上より$A\cap A\subseteq A$かつ$A\subseteq A\cap A$であるから$A\cap A=A$が成り立つ。
$$ \Box$$

集合 $U$ を全体集合とし、$A,B\subseteq U$ とする。このとき次が成り立つ。
$$ A\cup B = B\cup A $$

集合の等号の定義より、任意の$x\in U$について
$$ x\in A\cup B\ \Leftrightarrow\ x\in B\cup A $$
を示せばよい。
$ $
任意の$x\in U$をとる。和集合の定義より
$$ x\in A\cup B\ \Leftrightarrow\ (x\in A\ \lor\ x\in B) $$
が成り立つ。命題論理の交換律より、
$$ (x\in A\ \lor\ x\in B)\ \Leftrightarrow\ (x\in B\ \lor\ x\in A) $$
である。一方で、和集合の定義より
$$ x\in B\cup A\ \Leftrightarrow\ (x\in B\ \lor\ x\in A) $$
が成り立つ。以上より
$$ x\in A\cup B\ \Leftrightarrow\ x\in B\cup A $$
が任意の$x\in U$について成り立つので、集合の等号の定義より
$$ A\cup B = B\cup A $$
が成り立つ。
$$ \Box$$

集合 $U$ を全体集合とし、$A,B\subseteq U$ とする。このとき次が成り立つ。
$$ A\cap B = B\cap A $$

集合の等号の定義より、任意の$x\in U$について
$$ x\in A\cap B\ \Leftrightarrow\ x\in B\cap A $$
を示せばよい。
$ $
任意の$x\in U$をとる。共通部分の定義より
$$ x\in A\cap B\ \Leftrightarrow\ (x\in A\ \land\ x\in B) $$
が成り立つ。命題論理の交換律より
$$ (x\in A\ \land\ x\in B)\ \Leftrightarrow\ (x\in B\ \land\ x\in A) $$
である。一方で、共通部分の定義より
$$ x\in B\cap A\ \Leftrightarrow\ (x\in B\ \land\ x\in A) $$
が成り立つ。以上より
$$ x\in A\cap B\ \Leftrightarrow\ x\in B\cap A $$
が任意の$x\in U$について成り立つので、集合の等号の定義より
$$ A\cap B = B\cap A $$
が成り立つ。
$$ \Box$$

【吸収律】

集合$U$を全体集合とし、$A,B\subseteq U$とする。このとき次が成り立つ。
$$ (A\cup B)\cap A=A $$

集合の等号の定義より、任意の$x\in U$について
$$ x\in (A\cup B)\cap A\ \Leftrightarrow\ x\in A $$
を示せばよい。
任意の$x\in U$をとる。

  1. $x\in (A\cup B)\cap A\Rightarrow x\in A$を示す。
    $x\in (A\cup B)\cap A$を仮定する。
    共通部分の定義より
    $$ x\in (A\cup B)\cap A\ \Leftrightarrow\ (x\in A\cup B\land x\in A) $$
    であるから、$x\in A$が従う。
    $ $
  2. $x\in A\Rightarrow x\in (A\cup B)\cap A$を示す。
    $x\in A$を仮定する。
    命題論理(選言導入)より$x\in A\lor x\in B$が成り立つので、和集合の定義より$x\in A\cup B$が従う。
    したがって$x\in A\cup B$かつ$x\in A$が成り立つから、共通部分の定義より$x\in (A\cup B)\cap A$が従う。

-以上より、任意の$x\in U$について
$$ x\in (A\cup B)\cap A\ \Leftrightarrow\ x\in A $$
が成り立つ。従って集合の等号の定義より
$$ (A\cup B)\cap A=A $$
が成り立つ。
$$ \Box$$

【吸収律】

集合$U$を全体集合とし、$A,B\subseteq U$とする。このとき次が成り立つ。
$$ (A\cap B)\cup A=A $$

集合の等号の定義より、任意の$x\in U$について
$$ x\in (A\cap B)\cup A\ \Leftrightarrow\ x\in A $$
を示せばよい。
任意の$x\in U$をとる。

  1. $x\in (A\cap B)\cup A\Rightarrow x\in A$を示す。
    $x\in (A\cap B)\cup A$を仮定する。
    和集合の定義より
    $$ x\in (A\cap B)\cup A\ \Leftrightarrow\ (x\in A\cap B\lor x\in A) $$
    であるから、$x\in A\cap B$または$x\in A$が成り立つ。
    $x\in A\cap B$の場合は、共通部分の定義より$x\in A$が従う。
    $x\in A$の場合は明らかに$x\in A$である。
    よっていずれの場合も$x\in A$が成り立つ。
    $ $
  2. $x\in A\Rightarrow x\in (A\cap B)\cup A$を示す。
    $x\in A$を仮定する。
    命題論理(選言導入)より$x\in A\cap B\lor x\in A$が成り立つ。
    従って和集合の定義より$x\in (A\cap B)\cup A$が従う。

-以上より、任意の$x\in U$について
$$ x\in (A\cap B)\cup A\ \Leftrightarrow\ x\in A $$
が成り立つ。従って集合の等号の定義より
$$ (A\cap B)\cup A=A $$
が成り立つ。
$$ \Box$$

集合$U$を全体集合とし、$A,B\subseteq U$とする。$A\cap B=A$ であるための必要十分条件は
$$ A\subseteq B $$
である。

  1. $A\cap B=A$ を仮定する。
    任意の $x\in A$ をとる。仮定より $A=A\cap B$ だから $x\in A\cap B$ である。
    共通部分の定義より $x\in B$ が従う。よって任意の $x\in A$ について $x\in B$ であるから $A\subseteq B$ が成り立つ。
    $ $
  2. 逆に $A\subseteq B$ を仮定する。
    まず $A\cap B\subseteq A$ を示す。任意の $x\in A\cap B$ をとると、共通部分の定義より $x\in A$ である。
    よって $A\cap B\subseteq A$ が成り立つ。
    $ $
    次に $A\subseteq A\cap B$ を示す。任意の $x\in A$ をとる。仮定 $A\subseteq B$ より $x\in B$ である。
    従って $x\in A$ かつ $x\in B$ なので $x\in A\cap B$。よって $A\subseteq A\cap B$ である。
    $ $
    以上より $A\cap B\subseteq A$ かつ $A\subseteq A\cap B$ だから $A\cap B=A$

-従って $A\cap B=A$ であるための必要十分条件は $A\subseteq B$ である。
$$ \Box$$

$U$ を全体集合とし、$A,B,C\subseteq U$ を集合とする。このとき次が成り立つ。

  1. $A\cup B=A\cap B$ ならば $A=B$
  2. $A\cap C=B\cap C$ かつ $A\cup C=B\cup C$ ならば $A=B$
  1. 集合の等号の定義より、$A\subseteq B$ かつ $B\subseteq A$ を示せばよい。
    $A\cup B=A\cap B$ を仮定する。
    任意の $x\in A$ をとると、$x\in A\cup B$ である。仮定より $A\cup B=A\cap B$ だから $x\in A\cap B$ となる。
    従って $x\in B$ である。よって $A\subseteq B$ である。
    同様に、任意の $x\in B$ をとると $x\in A\cup B$、仮定より $A\cup B=A\cap B$ だから $x\in A\cap B$ となる。
    従って $x\in A$ である。よって $B\subseteq A$ である。
    $ $
    以上より $A\subseteq B$ かつ $B\subseteq A$ であるから集合の相等より $A=B$ を得る。
    $$ \Box$$
  2. 集合の等号の定義より、$A\subseteq B$ かつ $B\subseteq A$ を示せばよい。
    $A\cap C=B\cap C$ かつ $A\cup C=B\cup C$ を仮定する。
    $ $
    まず $A\subseteq B$ を示す。任意の $x\in A$ をとる。
    (i) もし $x\in C$ ならば、$x\in A\cap C$ である。仮定 $A\cap C=B\cap C$ より $x\in B\cap C$ である。
    従って $x\in B$ を得る。
    (ii) もし $x\notin C$ ならば、$x\in A$ なので $x\in A\cup C$ である。仮定 $A\cup C=B\cup C$ より $x\in B\cup C$ である。
    しかも $x\notin C$ だから、$x\in B\cup C$ であるためには $x\in B$ でなければならない。
    $ $
    (i)(ii)より任意の $x\in A$ について $x\in B$ が成り立つ。よって $A\subseteq B$ が成り立つ。
    $ $
    次に $B\subseteq A$ を示す。任意の $x\in B$ を取る。
    (i) もし $x\in C$ ならば、$x\in B$ かつ $x\in C$ であるから $x\in B\cap C$ である。
    仮定 $A\cap C=B\cap C$ より $x\in A\cap C$ が従う。従って $x\in A$ である。
    (ii) もし $x\notin C$ ならば、$x\in B$ であるから $x\in B\cup C$ である。
    仮定 $A\cup C=B\cup C$ より $x\in A\cup C$ が従う。
    ところが $x\notin C$ なので、$x\in A\cup C$ であるためには $x\in A$ でなければならない。
    従って $x\in A$ である。
    $ $
    (i)(ii)より任意の $x\in B$ について $x\in A$ が成り立つ。よって $B\subseteq A$ が成り立つ。

-従って $A\subseteq B$ かつ $B\subseteq A$ より $A=B$
$$ \Box$$

投稿日:129
更新日:15日前
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投稿者

分野を問わず数学の証明が好きで、不定期に過去のノートも含めて更新しています。あとで自分が読み返してもきちんと理解できるノートを作ることを心がけています。定義や証明、命題などに誤りがございましたら、ご指摘いただけますと幸いです(2025年12月28日)。

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