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集合 ⑥

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はじめに


こちら ① に、これまでに作成した数学ノートをシリーズとしてまとめています(※)。
※ 読み進める順番は、ページ下部(古い記事)から上部(新しい記事)へです。
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こちら ➁ に、証明を進めるうえでのポイントを随時まとめています。必要に応じて参照してください。
こちら ③ に、数学における基本用語を随時まとめています。必要に応じて参照してください。
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Prop & Proof

集合 $U$ を全体集合とし、$A\subseteq U$ とする。このとき次が成り立つ。
$$ A\cup\varnothing=A $$

集合の等号の定義より、任意の $x\in U$ について
$$ x\in A\cup\varnothing\ \Leftrightarrow\ x\in A $$
を示せばよい。
$ $
任意の $x\in U$ をとる。和集合の定義より
$$ x\in A\cup\varnothing\ \Leftrightarrow\ (x\in A\ \lor\ x\in\varnothing) $$
が成り立つ。ここで空集合の定義より、任意の $x$ について $x\in\varnothing$ は偽であるから、
$$ (x\in A\ \lor\ x\in\varnothing)\ \Leftrightarrow\ x\in A $$
が成り立つ。

ここでは、命題論理の恒真式
$$ P\lor \bot \ \Leftrightarrow\ P $$
を使っている。ここで、$\bot$は「偽(False)」を表す命題定数であり、常に偽である命題を表す。
したがって、$P\lor\bot$は「$P$が真である、または偽が真である」という命題であるが、
後者は常に成り立たないので、結局$P\lor\bot$$P$と同値になる。
$ $
実際、次の真理表により $P\lor\bot$$P$ が常に同じ真理値をとることが分かる(よって同値であり、恒真式である)。
$$ \begin{array}{|c|c|c|} \hline P & P\lor \bot & (P\lor \bot)\Leftrightarrow P \\ \hline T & T & T \\ \hline F & F & T \\ \hline \end{array} $$
空集合の定義より任意の $x\in U$ について $x\in\varnothing$ は偽であるから,
$$ x\in\varnothing\ \Leftrightarrow\ \bot $$
が成り立つ。したがって
$$ (x\in A\lor x\in\varnothing) \ \Leftrightarrow\ (x\in A\lor \bot) \ \Leftrightarrow\ x\in A $$
が成り立つ。

従って、
$$ x\in A\cup\varnothing\ \Leftrightarrow\ x\in A $$
が任意の $x\in U$ について成り立つので、集合の等号の定義より
$$ A\cup\varnothing=A $$
が成り立つ。
$$ \Box$$

集合 $U$ を全体集合とし、$A\subseteq U$ とする。このとき次が成り立つ。
$$ A\cap\varnothing=\varnothing $$

集合の等号の定義より、任意の $x\in U$ について
$$ x\in A\cap\varnothing\ \Leftrightarrow\ x\in\varnothing $$
を示せばよい。
$ $
任意の $x\in U$ をとる。共通部分の定義より
$$ x\in A\cap\varnothing\ \Leftrightarrow\ (x\in A\ \land\ x\in\varnothing) $$
が成り立つ。ここで空集合の定義より、任意の $x$ について $x\in\varnothing$ は偽であるから、
$$ (x\in A\ \land\ x\in\varnothing)\ \Leftrightarrow\ x\in\varnothing $$
が成り立つ。

ここでは、命題論理の恒真式
$$ P\land \bot \ \Leftrightarrow\ \bot $$
を用いている。ここで、$\bot$ は「偽(False)」を表す命題定数であり、常に偽である命題を表す。
したがって、$P\land\bot$ は「$P$ が真であり、かつ偽が真である」という命題であるが、
後者は常に成り立たないので、結局 $P\land\bot$ は常に偽となり、$\bot$ と同値になる。
$ $
実際、次の真理表により $P\land\bot$$\bot$ が常に同じ真理値をとることが分かる(よって同値であり、恒真式である)。
$$ \begin{array}{|c|c|c|c|} \hline P & \bot & P\land\bot & (P\land\bot)\Leftrightarrow \bot \\ \hline T & F & F & T \\ \hline F & F & F & T \\ \hline \end{array} $$
空集合の定義より任意の $x\in U$ について $x\in\varnothing$ は偽であるから,
$$ x\in\varnothing\ \Leftrightarrow\ \bot $$
が成り立つ。したがって
$$ (x\in A\land x\in\varnothing) \ \Leftrightarrow\ (x\in A\land \bot) \ \Leftrightarrow\ \bot \ \Leftrightarrow\ x\in\varnothing $$
が成り立つ。

従って
$$ x\in A\cap\varnothing\ \Leftrightarrow\ x\in\varnothing $$
が任意の $x\in U$ について成り立つので、集合の等号の定義より
$$ A\cap\varnothing=\varnothing $$
が成り立つ。
$$ \Box$$

集合$U$を全体集合とし、$A\subseteq U$とする。このとき次が成り立つ。
$$ A\cap U=A $$

集合の等号を示すため、$A\cap U\subseteq A$$A\subseteq A\cap U$を示す。
$ $

  1. $A\cap U\subseteq A$を示す。
    任意の$x\in U$を取る。$x\in A\cap U$を仮定する。
    共通部分の定義より
    $$ x\in A\cap U\ \Leftrightarrow\ (x\in A\ \land\ x\in U) $$
    が成り立つから、$x\in A\ \land\ x\in U$が成り立つ。よって$x\in A$が従う。
    したがって任意の$x\in U$について$(x\in A\cap U\Rightarrow x\in A)$が成り立つ。部分集合の定義より$A\cap U\subseteq A$である。
    $ $
  2. $A\subseteq A\cap U$を示す。
    任意の$x\in U$を取る。$x\in A$を仮定する。
    ここで$A\subseteq U$より、$x\in A$ならば$x\in U$が従う。したがって$x\in A\ \land\ x\in U$が成り立つ。
    よって共通部分の定義より$x\in A\cap U$が従う。
    したがって任意の$x\in U$について$(x\in A\Rightarrow x\in A\cap U)$が成り立つ。部分集合の定義より$A\subseteq A\cap U$である。
    $ $

-以上より、$A\cap U\subseteq A$$A\subseteq A\cap U$が成り立つから、集合の等号の定義より
$$ A\cap U=A $$
が成り立つ。
$$ \Box$$

集合$U$を全体集合とし、$A\subseteq U$とする。このとき次が成り立つ。
$$ A\cup U=U $$

集合の等号を示すため、$A\cup U\subseteq U$$U\subseteq A\cup U$を示す。
$ $

  1. $A\cup U\subseteq U$を示す。
    任意の$x\in U$を取る。$x\in A\cup U$を仮定する。
    和集合の定義より
    $$ x\in A\cup U\ \Leftrightarrow\ (x\in A\ \lor\ x\in U) $$
    が成り立つから、$x\in A\ \lor\ x\in U$が成り立つ。
    ここで、もし$x\in A$ならば$A\subseteq U$より$x\in U$が従う。もし$x\in U$ならばそのまま$x\in U$である。
    したがって$x\in U$が従う。よって任意の$x\in U$について$(x\in A\cup U\Rightarrow x\in U)$が成り立つ。部分集合の定義より$A\cup U\subseteq U$である。
    $ $
  2. $U\subseteq A\cup U$を示す。
    任意の$x\in U$を取る。このとき$x\in U$であるから、命題論理より$(x\in A\ \lor\ x\in U)$が成り立つ。
    したがって和集合の定義より$x\in A\cup U$が従う。
    よって任意の$x\in U$について$(x\in U\Rightarrow x\in A\cup U)$が成り立つ。部分集合の定義より$U\subseteq A\cup U$である。
    $ $

-以上より、$A\cup U\subseteq U$$U\subseteq A\cup U$が成り立つから、集合の等号の定義より
$$ A\cup U=U $$
が成り立つ。
$$ \Box$$

投稿日:4日前
更新日:4日前
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投稿者

集合論の勉強から再度始める事にしました。自分自身がいつ読み返しても理解できるようなノート作りをコンセプトにしています。証明や命題に誤りなどがありましたら、ご指摘いただけると幸いです (2025年12月28日)。

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