この前の
没アイデア
の、超微分でバーゼル問題の続きです。
今回は、整関数の零点の数の観点から、この超微分の展開の挙動を見ていこうと思います。
まだ超微分の複素数への拡張についてはあまり分かりませんが、整関数の微分は定義できるので、今回は、とりあえず形式的に
零点の数が0個のとき、超微分
仮に零点の数が重複含め、原点に
(
これを超微分してみましょう。
と表せます。ここで、
よって、整関数かつ零点が有限個の場合では
超微分の小ネタ
と同様のことが成り立つということになります。
これが一番ややこしいのですが、まず整関数で零点の数が無限個ある場合、その解の集合は有界ではありません。つまりその解の和は確定で発散ないし振動します。そこで、一旦整関数
ここで、
と表せます。薄々感づいているかもしれませんが、
しかしながら
1つ言いたいのは、これはもう最早、整関数ではないということです。
ここで例を示しておきましょう。
となります。このとき、
よって、
となります。
となるので、
となります。(
よって、
と表せます。
これは
ガンマ関数の逆数にワイエルシュトラスの因数分解定理を適用すると以下の式が得られます。
このとき、
よって、
と表せることになります。綺麗ですね。(合っているかは分かりませんが...)
かなり限定的な状況ですが、超微分の冪級数展開と解の関係について少し掴めたように思います。また何かありましたら追記します。間違いやアドバイスなどありましたらコメント下さると幸いです。