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3次元リー代数の分類

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この記事では,実数係数と複素係数の3次元Lie代数の分類定理の証明を行う.
可換性,可解性,冪零性といった不変量はなるべく持ち出さずに,線形代数の初等的な知識とそこから示せるいくつかの定理のみで証明する.定理の証明で用いたLie代数の定義や基本的な性質については後述する.必要があれば参照すること.

必要な知識
  1. Lie代数の定義
  2. 線形代数の基本的な知識

まずは定理の紹介から行おう.

定理の主張

3次元R-Lie代数の分類 (Bianchi)

3次元R-Lie代数は,
R3,n3(R),r3,λ(R)(|λ|1),r3(R),r3,λ(R)(0λ),Alt3(R),sl2(R)
のいずれかただ一つと同型である.

3次元Lie代数の基底をe1,e2,e3とすると,基底のbracket積はそれぞれ次のようになる.

g[e1,e2][e1,e3][e2,e3]
R3000
n3(R)e300
r3,λ(R)e2λe30
r3(R)e2e2+e30
r3,λ(R)λe2e3e2+λe30
Alt3(R)e3e2e1
sl2(R)2e22e3e1
3次元C-Lie代数の分類 (Bianchi)

3次元C-Lie代数は,
C3,n3(C),r3,λ(C)(|λ|1),r3(C),sl2(C)
のいずれかただ一つと同型である.

3次元Lie代数の基底をe1,e2,e3とすると,基底のbracket積は次のようになる.

g[e1,e2][e1,e3][e2,e3]
C3000
n3(C)e300
r3,λ(C)e2λe30
r3(C)e2e2+e30
sl2(C)2e22e3e1

基底のbracket積を与える形で,Lie代数を与えたが実際は具体的な形で与えることも多い.r3(K)は上三角行列全体の集合,n3(K)は狭義上三角行列全体の集合,Alt3(K)は交代行列全体の集合,sl2(K)はトレースが0になる行列全体の集合である.(ただし添え字は行列のサイズ.)

証明の流れ

証明を追いながら適宜,下のフローチャートを確認して議論を追ってほしい.dim[g,g]の次元で場合分けして,その後適切な行列の標準化を考える.
!FORMULA[72][80216175][0]Lie代数の分類定理の証明 CLie代数の分類定理の証明

!FORMULA[73][80230590][0]-Lie代数の分類定理の証明 R-Lie代数の分類定理の証明

証明

3次元C-Lie代数の分類の証明

3次元C-Lie代数の分類 (Bianchi)

定理に現れるLie代数が互いにを同型でないことは, 随伴表現と同型の判定 で示した.
gの同型に関して dim[g,g]は不変量 なので,dim[g,g]=0,1,2,3で場合分けして示す.

  1. dim[g,g]=0のとき
    [g,g]の定義から,
    xg,yg,[x,y]=0
    となるから,gC3
  2. dim[g,g]=1のとき
    gの基底をe1,e2,e3[g,g]の基底をe2とする.
    このとき,dim[g,g]=1であることに注意すれば,いずれかは0でない複素数α,β,γを用いて
    [e1,e2]=αe2, [e1,e3]=βe2, [e2,e3]=γe2
    と書ける.
    ここで2つの場合を考える.
     (1) α=0かつγ=0のとき
    β0となり,e~1=1βe1,e~2=e3,e~3=e2という基底の変換により,
    [e~1,e~2]=e~3, [e~1,e~3]=0, [e~2,e~3]=0
    よって,gn3(C) が成り立つ.
     (2) α0またはγ0のとき
    γ0のときはe~1=e3,e~2=e2,e~3=e1とすれば,
    [e~1,e~2]=γe~2, [e~1,e~3]=βe~2, [e~2,e~3]=αe~2
    となるので,α0のときを考えれば十分である.
    α0なら,e~1=1αe1, e~2=e2, e~3=γαe1βαe2+e3という基底の変換が考えられ,
    [e~1,e~2]=[1αe1,e2]=1ααe2=e~2[e~1,e~3]=[1αe1,γαe1βαe2+e3]=βα2[e1,e2]+1α[e1,e3]=βαe2+βαe2=0[e~2,e~3]=[e2,γαe1βαe2+e3]=γα[e2,e1]+[e2,e3]=γe2+γe2=0
    となるので,gr3,0(C) が従う.
  3. dim[g,g]=2のとき
    gの基底をe1,e2,e3[g,g]の基底をe2,e3とする.
    e2,e3[g,g]の基底なので,複素数α1,α2,β1,β2,γ1,γ2を用いて
    [e1,e2]=α1e2+α2e3, [e1,e3]=β1e2+β2e3, [e2,e3]=γ1e2+γ2e3
    と書ける.
    ここで
    [e1,[e2,e3]]=[e1,γ1e2+γ2e3]=γ1[e1,e2]+γ2[e1,e3]=(α1γ1+β1γ2)e2+(α2γ1+β2γ2)e3[e2,[e3,e1]]=[e3,β1e2β2e3]=β2[e2,e3]=β2γ1e2β2γ2e3[e3,[e1,e2]]=[e3,α1e2+α2e3]=α1[e2,e3]=α1γ1e2α1γ2e3
    であるから,基底e1,e2,e3に関するJacobi 等式
    [e1,[e2,e3]]+[e2,[e3,e1]]+[e3,[e1,e2]]=0
    を考えると,
    (α1γ1+β1γ2β2γ1α1γ1)e2+(α2γ1+β2γ2β2γ2α1γ2)e3=0(β1γ2β2γ1)e2+(α2γ1α1γ2)e3=0
    すなわち,
    {β1γ2β2γ1=0α1γ2α2γ1=0
    が成り立つ.
     (1) (γ1,γ2)(0,0)のとき
    β1γ2β2γ1=0,α1γ2α2γ1=0より,ベクトル[e1,e2],[e1,e3]0でないベクトル[e2,e3]に一次従属する.すなわち,[g,g]=<[e2,e3]>となるが,これはdim[g,g]=2であることに反する.
    (2)(γ1,γ2)=(0,0)のとき
    基底について
    [e1,e2]=α1e2+α2e3, [e1,e3]=β1e2+β2e3, [e2,e3]=0
    となるので,e2,e3の基底の変換を考えればよい.
    基底の変換e~2=P22e2+P23e3, e~3=P32e2+P33e3とおく.
    A=(α1β1α2β2), P=(P22P32P23P33)
    と書くことにすると,(行列A,Pは正則行列である.)
    ([e1,e~2],[e1,e~3])=(P22[e1,e2]+P23[e1,e3], P32[e1,e2]+P33[e1,e3])=([e1,e2], [e1,e3])P=(e2,e3)AP=(e~2,e~3)P1AP
    したがって,基底の変換e~2=P22e2+P23e3, e~3=P32e2+P33e3
    正則行列Pによる行列Aの標準化P1APを与えることが分かる.
    一般に,n次複素正方行列は正則行列により Jordan 標準形にできるので,
    (λ00μ), (λ10λ)
    の2通りで書ける.(λ0,μ0,|μλ|1)
     (1) (λ00μ)のとき[e1,e2]=λe2,  [e1,e3]=μe3ここで,e~1=1λe1とすれば,[e~1,e2]=e2,  [e~1,e3]=μλe3
    従って,gr3,μλ(C) となることが分かる.(ただし,|μλ|1である.)
     (2) (λ10λ)のとき
    [e1,e2]=λe2,  [e1,e3]=e2+λe3である.ここで,e~1=1λe1,e~2=1λe2とおけば,
    [e~1,e~2]=1λe2=e~2,  [e~1,e3]=1λe2+e3=e~2+e3
    となるから,gr3(C) となる.
  4. dim[g,g]=3のとき
    g及び[g,g]の基底をe1,e2,e3とする.すると,
    [e2,e3]=A11e1+A21e2+A31e3[e3,e1]=A12e1+A22e2+A32e3[e1,e2]=A13e1+A23e2+A33e3
    とおける.すなわち正則行列A=(A11A12A13A21A22A23A31A32A33)を用いて
    ([e2,e3],[e3,e1],[e1,e2])=(e1,e2,e3)A
    とする.ここで,
    [e1,[e2,e3]]=A21[e1,e2]+A31[e1,e3][e2,[e3,e1]]=A12[e2,e1]+A32[e2,e3][e3,[e1,e2]]=A13[e3,e1]+A23[e3,e2]
    であり,Jacobi 等式[e1,[e2,e3]]+[e2,[e3,e1]]+[e2,[e3,e1]]=0から
    (A21A12)[e1,e2]+(A31A13)[e1,e3]+(A32A23)[e2,e3]=0
    となる.dim[g,g]=3であって[g,g][e1,e2],[e1,e3],[e2,e3]から生成される空間なので,一次独立であるからA12=A21,A13=A31,A23=A32が成り立つ.
    よって,行列Aは対称行列となる.
    また基底の変換
    e~1=P11e1+P21e2+P31e3e~2=P12e1+P22e2+P32e3e~3=P13e1+P23e2+P33e3
    とすると,
    [e~2,e~3]=[P12e1+P22e2+P32e3,P13e1+P23e2+P33e3]=(P22P33P23P32)[e2,e3]+(P32P13P12P33)[e3,e1]+(P12P23P13P22)[e1,e2][e~3,e~1]=(P23P31P21P33)[e2,e3]+(P33P11P13P31)[e3,e1]+(P13P21P11P23)[e1,e2][e~1,e~2]=(P21P32P22P31)[e2,e3]+(P12P31P11P32)[e3,e1]+(P11P22P12P21)[e1,e2]
    となるのでP=(P11P12P13P21P22P23P31P32P33)とおけば,
    ([e~2,e~3],[e~3,e~1],[e~1,e~2])=([e2,e3],[e3,e1],[e1,e2])Q
    については
    Q=(|P22P23P32P33||P12P13P32P33||P12P13P22P23||P21P23P31P33||P11P13P31P33||P11P13P21P23||P21P22P31P32||P11P12P31P32||P11P12P21P22|)=t(|P22P23P32P33||P21P23P31P33||P21P22P31P32||P12P13P32P33||P11P13P31P33||P11P12P31P32||P12P13P22P23||P11P13P21P23||P11P12P21P22|)=tP~  (P~は余因子行列)
    したがってtP~=(dettP)tP1=(detP)tP1が成り立つので,
    ([e~2,e~3],[e~3,e~1],[e~1,e~2])=([e2,e3],[e3,e1],[e1,e2]) tP~=([e2,e3],[e3,e1],[e1,e2]) (detP)tP1=(e1,e2,e3) A(detP)tP1=(e~1,e~2,e~3) P1A(detP)tP1
    となるから,基底の変換行列Pは正則な複素対称行列Aに対して
    (detP)P1A tP1
    を与える.

    detPCであってCは代数閉体なので,detPCであることに注意すれば,
    (PdetP)1A t(PdetP)1
    という標準化となることが分かる.
    つまり,正則な複素対称行列Aに対して,正則行列Uによる
    UAtU
    という標準化を考えればよい.
    ただし,ここで正則行列Pの存在と正則行列Uの存在は同値である.
    実際,U=(PdetP)1ならdetP U1=P となる.
    またdetU=(detP)321=(detP)12だから,P=(detU) U1 とすればよい.
    逆についてもこの議論を逆にたどればよい.
    ここで オートン・高木分解 ,特にその系1により,正則な複素対称行列Aに対して,正則行列Uが存在して
    UAtU=(100010001)
    とできる.
    すなわち,基底の変換により,
    [e2,e3]=e1,[e3,e1]=e2,[e1,e2]=e3
    とできる.
    さらに,基底の変換
    e~1=2ie1, e~2=ie2e3, e~3=ie2+e3
    により,
    [e~1,e~2]=[2ie1,ie2e3]=2[e1,e2]+2i[e1,e3]=2e32ie2=2e~2[e~1,e~3]=[2ie1,ie2+e3]=2[e1,e2]2i[e1,e3]=2e~3[e~2,e~3]=[ie2e3,ie2+e3]=2i[e2,e3]=2ie1=e~1
    となり,gsl2(C) が分かる.

3次元R-Lie代数の分類の証明

3次元R-Lie代数の分類 (Bianchi)

定理に現れるLie代数が互いにを同型でないことは, 随伴表現と同型の判定 で示した.
gの同型に関してdim[g,g]不変量なので,dim[g,g]=0,1,2,3で場合分けして示す.

  1. dim[g,g]=0のとき
    Cのときと同様にgR3
  2. dim[g,g]=1のとき
    Cのときと同様に,gn3(R) または gr3,0(R) が成り立つ.
  3. dim[g,g]=2のとき
    gの基底をe1,e2,e3[g,g]の基底をe2,e3とする.
    e2,e3[g,g]の基底なので,実数α1,α2,β1,β2,γ1,γ2を用いて
    [e1,e2]=α1e2+α2e3, [e1,e3]=β1e2+β2e3, [e2,e3]=γ1e2+γ2e3
    と書ける.
    Cのときと同様に,Jacobi 等式とdim[g,g]=2であることより,(γ1,γ2)=(0,0)となる.
    つまり,基底について
    [e1,e2]=α1e2+α2e3, [e1,e3]=β1e2+β2e3, [e2,e3]=0
    となるので,e2,e3の基底の変換を考えればよい.
    基底の変換e~2=P22e2+P23e3, e~3=P32e2+P33e3とおく.
    A=(α1β1α2β2), P=(P22P32P23P33)
    と書くことにすると,(行列A,Pは正則行列である.)
    Cのときと同様に,基底の変換は正則行列Pによる行列Aの標準化P1APを与えることが分かる.正則行列Pによる 2次実正則行列Aの標準化 は以下の3種類に書ける.
    (λ00μ), (λ10λ), (αββα)
    (ただし,λ0,μ0,α0,|μλ|1,βα0)
     (1) (λ00μ)のとき
    Cのときと同様にして
    [e1,e2]=λe2,  [e1,e3]=μe3ここで,e~1=1λe1とすれば,[e~1,e2]=e2,  [e~1,e3]=μλe3
    従って,gr3,μλ(R) となることが分かる.(ただし,|μλ|1である.)
     (2) (λ10λ)のとき
    Cのときと同様にして
    [e1,e2]=λe2,  [e1,e3]=e2+λe3ここで,e~1=1λe1,e~2=1λe2とすれば,
    [e~1,e~2]=1α2αe2=e~2,  [e~1,e3]=1λe2+e3=e~2+e3
    となり,gr3(R) となる.
     (3)(αββα)のとき
    [e1,e2]=αe2βe3,  [e1,e3]=βe2+αe3ここで,e~1=1βe1とすれば,
    [e~1,e2]=αβe2e3,  [e~1,e3]=e2+αβe3
    となるから,gr3,αβ(R) となる.(ただし,αβ0である.)
  4. dim[g,g]=3のとき
    g及び[g,g]の基底をe1,e2,e3とする.正則行列A=(A11A12A13A21A22A23A31A32A33)を用いて
    ([e2,e3],[e3,e1],[e1,e2])=(e1,e2,e3)A
    とすると,Cで示したときと同様に,dim[g,g]=3と Jacobi 等式から行列Aは対称行列である.
    e1,e2,e3からe~1,e~2,e~3への基底の変換行列P=(P11P12P13P21P22P23P31P32P33)は正則な実対称行列Aに対して
    (detP)P1A tP1
    を与える.
    detPR{0}であることに注意すれば,
    sgn(detP)(P|detP|)1A t(P|detP|)1
    という標準化となることが分かる.(sgnは符号を表す.)
    つまり,正則な複素対称行列Aに対して,正則行列Uによる
    sgn(detU)UAtU
    という標準化を考えればよい.
    ここで 実対称行列の標準化 ,特にその系3により,正則な実対称行列Aに対して,正則行列Uが存在して
    sgn(detU)UAtU=(100010001), (100010001)
    とできる.
     (1) (100010001)のとき
     基底のブラケット積は,[e2,e3]=e1, [e3,e1]=e2, [e1,e2]=e3
     となるから,gAlt3(R) が分かる.
     (2) (100010001)のとき
     基底のブラケット積は,
    [e2,e3]=e1, [e3,e1]=e2, [e1,e2]=e3
     となるから,基底の変換
    e~1=2e1, e~2=e2e3, e~3=e2+e3
     により,
    [e~1,e~2]=[2e1, e2e3]=2[e1,e2]2[e1,e3]=2e32e2=2e~2[e~1,e~3]=[2e1,e2+e3]=2[e1,e2]+2[e1,e3]=2e32e2=2e~3[e~2,e~3]=[e2e3,e2+e3]=[e2,e3][e3,e2]=2[e2,e3]=2e1=e~1
     となり,gsl2(R) が分かる.

証明に必要な補題や知識

この証明で用いた補題をまとめた.証明は長くなるため,以下の記事で書いた.この証明が一番苦労したので,ぜひ確認してほしい.

[g,g]の次元が同型に関して不変量となること
dim[g,g]は同型に関して不変量

g :有限次元K-Lie代数
dim[g,g] は同型に関する不変量である.
つまり,
ggdim[g,g]=dim[g,g]
が成り立つ.

n次複素正方行列の標準化
Jordan 標準形

任意のn次複素正方行列Aに対して,ある正則行列Pが存在してJ=P1AP (Jはジョルダンブロックを対角に並べた行列)となるようにできる.
J=(J1000J2000Jk), Ji=(λi1000λi1000λi1000λi)
(λiAの固有値(1ik))

複素対称行列の標準化

U1AUではなく,UAtUという標準化を考える.

オートン・高木分解

任意のn次複素対称行列Aに対して,ユニタリ行列Uが存在して
UAtU=(a1000a2000an)
となるようにできる.ここで,ai0 (1in)である.
(すなわち,複素対称行列はユニタリ行列による"標準化"により実対角行列とできる.)

任意の正則なn次複素対称行列Aに対して,正則行列Uが存在して
UAtU=(100010001)
となるようにできる.

2次実正方行列の標準化

実数の範囲でジョルダン標準形にできる場合と,ジョルダン標準形にできない場合がある.

2次実正方行列の標準化

2次実正方行列は,正則行列Pを用いて,固有値が実数のとき,Jordan標準形
P1AP=(λ00μ)  or (λ10λ)  (λ,μC)
にでき,固有値が虚数のとき,
P1AP=(αββα)  (α,βC,β0)
とできる.

実対称行列の標準化

2次形式の標準化を考えればよい.符号数やシルヴェスターの慣性法則などに詳しければ,よく知っている操作だろう.

実対称行列の対角化(有限次元のスペクトル定理)

n次実対称行列Aは、直交行列P
PAtP=(λ1000λ2000λn)
となるものが存在する.直交行列PdetP=±1を自由にとることができる.

n次実対称行列Aは,正則行列P
PAtP=(IkOIlOOm)  (Ik,Il:単位行列)
となるものが存在する.(ただし, k+l+m=nである.)
さらに,直交行列PdetP0を自由にとることができる.

正則なn次実対称行列Aは,正則行列P
sgn(detP)PAtP=(IkOOIl)  (Ik,Il:単位行列)
となるものが存在する.(ただし, k+l=n, kl である.)

分類定理の証明の補足

  • 3次元リー代数の分類定理に現れるリー代数として,基底のブラケット積を示す形でリー代数を与えたが,それらが実際にリー代数となっているかは確認すべきことである.つまり,Jacobi等式を満たすかどうかは確認すべきである.計算をひたすらに頑張るだけである.この記事では省略する.
  • 3次元リー代数の分類定理に現れるリー代数が互いに同型でないことは, 随伴表現と同型の判定 で示した.
  • 元の論文の証明では,行列の標準化の際に「multiplicatively cogredient」という概念を出していた.
  • 冪零性や可解性を使えば,あっさり議論できる部分も少しある.

研究を進めること

  • 他の体,例えば正標数の体や有理数体Qでは,どんな分類となるか
  • 4次元や5次元など、より高い次元でのリー代数の分類はどうか
  • 無限次元でのリー代数はどうか
  • 定理の応用にどのようなものがあるか

最後に

記事の記述の間違いや,もっとこうした方がよいのではという提案があれば,ぜひ連絡していただけると助かります.質問や疑問があれば,気が向けば返信するので気軽にもらえると嬉しいです.

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投稿日:202462
更新日:2024129
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