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YANAのq類似を生み出しちゃった!-超幾何関数の新たな公式の発見を目指して!2

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あいさつ

んちゃ!
前回の記事の続きです。
具体的には下記の事をこの記事では行います。


【概要】
本記事では、次の事を行う。

  1. 前回導入したYANA超幾何関数(仮)が満たす微分方程式の導出
  2. その後YANA超幾何関数(仮)はGaussの超幾何関数のq類似版の拡張でない事を得られた微分方程式についてq1として確認
  3. YANA超幾何関数を修正しその微分方程式を求める。
  4. その後、YANA超幾何関数はGaussの超幾何関数のq類似版の拡張となっている事を得られた微分方程式についてq1として確認


標準q-類似

標準q-類似

任意の複素数cCに対して以下の様なcq数を考える。
S(c;q)=1qc1q1

q微分

q微分DQ(a,b)を次の様に定める。
DQ(a,b)f(x)=f(qax)f(qbx)qaxqbx

DQ(a,b)xλ=qλaqλbqaqbxλ1

DQ(a,b)xλ=qλaxλqλbxλqaxqbx=qλaqλbqaqbxλ1

limq1DQ(0,1)=D

limq1DQ(0,1)f(z)=limq1f(z)f(q1z)zq1z(δ=zq1z)=limδ0f(z)f(zδ)δ=limδ0{f(z+δ)f(z)δ+2f(x)f(z+δ)f(zδ)δ}=D+limδ0O(δ2)δ=D

YANAの超幾何関数の性質

YANAの超幾何関数(仮)についてはこちらを参照

[zlogq{zqaDQ(0,1)+S(a,q)}{zqbDQ(0,1)+S(b;q)}11q1D{zq(c1)DQ(0,1)+S(c1;q)}]2F1(Y)(a,b;c;z)=0

[0]znの係数を抜き出す。
An=(logq)nk=1n(1q(a+k1))(1q(b+k1))(1q(c+k1))k
[1]Anの性質を調べる。
(1q(c+n))(n+1)An+1=logq(1q(a+n))(1q(b+n))An
[2]q微分の性質を調べる。
{zDQ(0,1)zn=1qn1q1znzDzn=nzn
[3]もうちょい計算してみよう。
{zqaDQ(0,1)+S(a,q)}zn={qaq(a+n)1q1+1qa1q1}zn=1q(a+n)1q1zn
[4]やったぜ!上手くいきそう。
{{zqaDQ(0,1)+S(a,q)}{zqbDQ(0,1)+S(b;q)}zn=(1q(a+n))(1q(b+n))(1q1)2znD{zq(c1)DQ(0,1)+S(c1;q)}zn=n1q(c+n1)1q1zn1
[5]znの係数を比較
[zlogq{zqaDQ(0,1)+S(a,q)}{zqbDQ(0,1)+S(b;q)}11q1D{zq(c1)DQ(0,1)+S(c1;q)}]2F1(Y)(a,b;c;z)=n=1{logq(1q(a+n))(1q(b+n))(1q1)2An(n+1)(1qc+n)(1q1)2An+1}zn=1(1q1)2n=1{logq(1q(a+n))(1q(b+n))An(n+1)(1qc+n)An+1}zn=0

考察
上記の微分方程式はq1Gaussの微分方程式に一致しない!
残念だけど、今のままでは目的に到達できませんね。
そこで、YANAの超幾何関数(仮)を改善しましょう。
YANAの超幾何関数

2F1(Y)(a,b;c;z)=n=0(a)x|n(b)x|n(c)x|n(1)x|nzn=n=0znk=1n(1q(a+k1))(1q(b+k1))(1q(c+k1))(1qn)

[z{zqaDQ(0,1)+S(a,q)}{zqbDQ(0,1)+S(b;q)}zDQ(0,1){zq(c1)DQ(0,1)+S(c1;q)}]2F1(Y)(a,b;c;z)=0

[0]znの係数を抜き出す。
An=(k=1n(1q(a+k1))(1q(b+k1))(1q(c+k1))(1qk)
[1]Anの性質を調べる。
(1q(c+n))(1q(n+1))An+1=(1q(a+n))(1q(b+n))An
[2]q微分の性質を調べる。
{zDQ(0,1)zn=1qn1q1znzDzn=nzn
[3]コピペ
{zqaDQ(0,1)+S(a,q)}zn={qaq(a+n)1q1+1qa1q1}zn=1q(a+n)1q1zn
[4]コピペ
{{zqaDQ(0,1)+S(a,q)}{zqbDQ(0,1)+S(b;q)}zn=(1q(a+n))(1q(b+n))(1q1)2znzDQ(0,1){zq(c1)DQ(0,1)+S(c1;q)}zn=(1q(c+n1))(1qn)(1q1)2zn1
[5]znの係数を比較
[z{zqaDQ(0,1)+S(a,q)}{zqbDQ(0,1)+S(b;q)}zDQ(0,1){zq(c1)DQ(0,1)+S(c1;q)}]2F1(Y)(a,b;c;z)=n=1{(1q(a+n))(1q(b+n))(1q2)An(1q(c+n))(1q(n+1))(1q1)2An+1}zn=1(1q1)2n=1{(1q(a+n))(1q(b+n))An(1q(c+n))(1q(n+1))An+1}zn=0

実験
得られた微分方程式についてq1の極限を取ってみましょう。すると実際次の微分方程式を得る事が出来ます。{z(zD+a)(zD+b)zD(zD+c1)}2F1(a,b;c;z)=0
この微分方程式は皆さんがよく知るGaussの超幾何微分方程式なのでこれを根拠に新しく考えたYANAの超幾何微分方程式はGaussの超幾何関数のq類似への拡張だと言っていいでしょう。

結論

今回はYANAの超幾何関数をGaussの超幾何関数の拡張バージョンとして構成しました。
その根拠はq1としたとき、得られた微分方程式がGaussの超幾何微分方程式と一致する事にありました。
記事の内容はここまでです。

次回予告
次の記事では、YANAの超幾何関数の変換公式について調査していきます。
ここまで見て頂きありがとうございました。
ばいちゃ!

投稿日:38
更新日:38
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