レイリー・ジーンズの公式におけるエネルギーを量子化すればプランクの公式が得られます。また、プランクの公式をすべての周波数に渡って積分すればゼータ関数が現れます。
黒体放射を数式で表す試みは、当初、低周波数と高周波数の領域が別の式で表されていました。
これらの公式を1つにまとめたのがプランクの公式です。
ここで
低周波極限と高周波極限において、プランクの公式から他の公式が得られます。
低周波極限
高周波極限
これらの公式は共通の構造を持っています。
この式は2つの部分からなります。
モード密度:
周波数
平均エネルギー:
周波数
モード密度は、3次元空間内に閉じ込められた電磁波の定常波の数を数えることで導出されます。一辺
波数空間で波数の大きさが
を状態1つあたりの体積
となります。これを体積
各公式の違いは、平均エネルギー
レイリー・ジーンズの公式:
ウィーンの公式:
プランクの公式:
前述のように、プランクの公式の高周波極限がウィーンの公式です。
レイリー・ジーンズの公式とプランクの公式の違いは、単に低周波極限というだけに留まらず、取り得るエネルギーの違いに由来します。
レイリー・ジーンズの公式の平均エネルギーは、古典統計力学による振動子の平均エネルギーから求められます。
プランクの公式の平均エネルギーは、エネルギーを離散的な値
歴史的には、プランクはまず実験データを説明できる式を見つけ、その後、この式を理論的に導出するために量子化という概念を導入しました。プランクは当初、
レイリー・ジーンズの公式の平均エネルギーは、統計力学におけるボルツマン分布によって求められます。
統計力学では、熱平衡状態にある系においてエネルギー
この表現を確率分布として使うため、全確率が
物理量の平均値は、その量に確率を掛けて全状態にわたって積分することで求められます。これにより平均エネルギー
変数変換
同じ変数変換で分子の積分も計算します。
積分の部分は、部分積分で計算できます。表面項(中辺第1項)が消える(
ここまでの結果を
プランクの公式の平均エネルギーを計算します。
分子を整理します。
総和の部分は、
ここまでの結果を
プランクの公式は、周波数
これをすべての周波数に渡って積分することで全エネルギー密度
この積分を計算するための変数変換として
積分の中を計算します。
これを積分に戻して計算を進めます。途中、積分と総和の順序が交換できることを利用します。
積分の部分に、部分積分を3回適用します。表面項はすべて消えます。
最後の積分は直接計算できます。
この結果から逆にたどります。
ここでリーマンゼータ関数が現れました。
これはシュテファン=ボルツマンの法則に対応します。
区間
パーセヴァルの等式を用いて、フーリエ係数から