今回は以下のような問題を数値代入法で解こうと思います。あの「分母0にするやつを代入していいんですか」のやつです。
が成り立つような複素数
系2が解答で使うものなので, 証明を飛ばしたい人は, 系2だけ確認してください。
こいつの証明はしません。以下の定理2を証明するのに使います。
を以前書いたので, 一応載せておこう。
相異なる
ならば
が成り立つ。
相異なる
が成り立つが
であると仮定する。
とおくと
である。そして,
そして, 以下の系1と系2が導かれる。
系1の「ならば」の前後は同じ主張ではないかと, 思った人は, 以下を読むとよい。
多項式とはなんぞや
系1(係数比較法)
ならば
すなわち
が成り立つ。
この系1が係数比較法ができる理由です。
系2
そして再度述べますが, 系2が今回の問題を解く重要な主張です。
系2は, 大分ラフに述べるが, 多項式の形をしている恒等式の問題では数値代入法で逆の確認が実は必要ないという主張である。
解答
が成り立つための必要十分条件は
が成り立つことである。そして系2より, これは, 任意の複素数
が成り立つことと同値なので, 系2をもう一度用いると,任意の
が成り立つと言い換えられる。すなわち
である。これを満たす
である。
最初の系2は「
分数式の恒等式は問題集でよく見かけるが 系2を使ってきちんと説明しないから, それの解答を見てもちんぷんかんぷんですよね。