矩形波、のこぎり波とは以下の図のような角ばった波だったり、
まさにのこぎりの刃のような波のことを言う。
矩形波
のこぎり波
名前自体はせいぜい概形を表してそう言うという水準で
具体的な数値を伴うものではないと思われるのでここではそれぞれ
次のような関数をそれとして取り扱う。
矩形波を表す関数
のこぎり波を表す関数
どちらも不連続となる点での値を定義していないが、そこはいろいろと流儀があったりで
今回そこにこだわった話はないので、一旦未定義としておく。
これらは区分的に連続な周期関数なのでフーリエ展開できる。
この記事では、これらのフーリエ展開について、極力初等的な範疇で証明することを目的とする。
なお、のこぎり波についての同趣旨の記事として
tyamada氏の
Gauss関数のFourier級数表示の初等的証明
があるので
本記事のタイトルで興味をもって開いてくれた方は
こちらもご覧いただくことをお勧めする。
本記事は上記記事とは異なる方針となる。
そのままでは計算が難しいがそれを項別微分した物の
計算は難しくない。なのでここでは
(1)部分和を微分した物を計算し、
(2)それを積分して、
(3)極限を取る。
という直球勝負の作戦をとる。
(この直球勝負がしたかったというのが本記事の趣旨である)
ということで、和の計算を先に確認する
※和の取り方が上下で若干違う
いわゆる積和公式により
ゆえ
同様に
ゆえ
得られた和を積分してやれば部分和の表示を得ることができる。
次のようになる。
証明はどちらも補題2の式を
(
ここまでの結果から
これは「リーマン・ルベーグの補題」として知られる結果のごく特別な場合となるが、ここではそういったことを踏まえず計算によって示す。
分子を積分する形で部分積分を考えると
右辺の第1項および第2項はともに
発散しない有限の値を取る。
よって
が言える。
この補題により計算を進めることができる
補題4より、まず
について
右辺の無限級数の項である
以上より定理1ののこぎり波
続いて
について、
左辺第2項はいわゆるライプニッツ級数となるので
さらに上記について
ゆえ
ここまでの結果と
係数
フーリエ級数展開を見たままの形からどういった関数になるのかという計算をできたので個人的な目的な十分に達せられ、ほぼほぼ満足した。
矩形波でライプニッツ級数が出てくるところは、うまいこと処理すれば
とはいえライプニッツ級数の計算自体もこの記事で現れるのと同程度の道具立てで計算できるので、まぁよかろう。
本記事で扱った関数はどちらも
係数が同じであれば計算は同じようにできる。
関数としては
これを利用していろいろやることを考えており、これもいずれ記事にしたい。