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MZVにチャレンジするのだNo.1

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あいさつ

んちゃ!
前からずっとやってみたいと思っていたMZVにチャレンジするのだ。
以下の記事を参考にして本記事は作成致しました。

なるべく一次ソースを読んでから本記事を読むようにしてください。

前半部分は概要
後半部分はコネクタをオリジナルで作れないか考察を行っていきます。
それではよろしくお願いいたします。

表記法

まずは表記について簡単にまとめておくね。

表記法
aは正整数
{Ja=k=1aZ0Ia=k=1aZ1Ia={k=(k1,k2,...,ka)Ia|ka2}J0=I0=I0={}I=a=1IaI=a=1IaI0=a=0IaUa<={(n1,n2,...,na)N|n1<n2<<na}

インデックス

k=(k1,k2,...,ka)Iaの事をインデックスという。
また、k=(k1,k2,...,ka)Iaの事を許容インデックスという。

重み

インデックスk=(k1,k2,..,ka)Iaに対してwt(k)=i=1akiをインデックスk重みという。

矢印演算

インデックスk=(k1,k2,...,ka)Iaに対して次の様な演算を定める。
{k=(k1,k2,...,ka,1)k=(1,k1,k2,...,ka)
{k=(k1,k2,...,ka+1)k=(k1+1,k2,...,ka)
{k=(k1,k2,...,ka1)k=(k11,k2,...,ka)
また、,,,のいずれかとし、nと書いたときは
n回作用させることを意味するものとする。
なお特別な場合として、任意の正整数Aに対して次の様な記号を定める。
{A}a=(,A1)a=(A,A,...,A)

反転

インデックスk=(k1,k2,...,ka)Iaに対して次の様な演算をインデックスkの反転と呼ぶ。
k=(ka,ka1,...,k1)

多重指数

a次元ベクトルn=(n1,...,na),γ=(γ1,...,γa)Raに対して、次に様な演算を定める。これを拡張べきと呼ぶ。
nγ=k=1ankγk

拡張べきは次の性質を満たす。
n,α,βRa:nαnβ=nα+β


次の様に記号を定める。
{n=(n1,..,na)α=(α1,...,αa)β=(β1,...,βa)
すると次の様に計算ができるので上の定理は示された。
{()=nαnβ=k=1ankαkl=1anlβl=k=1anαk+βk()=k=1anαk+βk

以下n=(n1,..,na),α=(α1,...,αa)Ra,m=(m1,...,mb),β=(β1,...,βb)Rbに対して以下の様な積を定める。
nαmβ=1ka1lbnkαkmlβl

nUa<に対して以下の記号を定める。
ea(n)=(n)=na

連結和法と皆大好きコネクター

参考文献:Hoffmanの恒等式を参考にまずは連結和法とは何か抜粋しておこう。


連結和法
  1. 連結和 (connected sum) と呼ばれるこの証明法のキーを発見する。
  2. 連結和の輸送関係式 (transport relation) を示す。
  3. 連結和の境界条件 (boundary condition) を確認する。
  4. 輸送関係式を繰り返し用いてインデックスを輸送してできた等式に境界条件を適用する。


この連結和法について具体例で見ていこう。
そのために、この節では余余余さんの記事の冒頭の級数:(n!m!/(n+m)!)²が含まれる級数を示してみようと思う。
*まずは、余余余さんの記事を参照してください。
抜粋した級数
{ζ(3)=0<n,m1nm2n!m!(n+m)!()ζ(3)=30<n,m1nm2(n!m!(n+m)!)2()

式(余余余★)を証明しよう。

連結和

インデックスk=(k1,...,ka)IaI,l=(l1,...,lb)JbI0に対して、次の様な級数を連結和と言います。
Z(k;l)=nUa<,mUb<1nkC(ea(n),eb(m))1ml
この級数でC(na,mb)の事をコネクターと言います。
このコネクターにより、次の式が成り立つように定義されています。
Z(k;l)=Z(k,l)

コネクター

定義5で与えられた連結和に出てきたコネクターC(na,mb)は次の様な形で与えらる。
C(na,mb)=na!mb!(na+mb)!


[1]示すべきことを確認する:
{Z(k;l)=nUa<,mUb1nkC(ea(n),eb(m))na1mlZ(k;l)=nUa<,mUb+11nkC(ea(n),eb+1(m))mb+11ml
より
Z(k;l)Z(k;l)=nUa<,mUb1nkml{C(ea(n),eb(m))nambmb+1C(ea(n),mb+1)mb+1}=0
ゆえに、C(na,mb)が次式を満たすことを確認すればいい。
C(na,mb)na=mb<mb+1C(na,mb+1)mb+1
[2]実際に示す:
mb<mb+1C(na,mb+1))mb+1=mb<mb+1na!mb+1!mb+1(na+mb+1)!=mb<mb+1na!(mb+11)!(na+mb+1)!=1namb<mb+1nana!mb+1!(na+mb+1)!=1namb<mb+1(na!(mb+11)!(na+mb+11)!namb+1!(na+mb+1)!)=1nana!mb!(na+mb!)=C(na,mb)na
輸送関係式

上記の様な連結和が定まった事で、直ちに次の様な輸送関係式を得る。
Z(kn;)=Z(k;{1}n)

境界条件

{ζ(3)=n=11n3=Z(3;)0<n,m1nm2n!m!(n+m)!=Z(2;1)


[1]確認事項1
Z(3,)=0<n1n3Z=ζ(3)
[2]確認事項2
Z(2;1)=0<n,m1n2n!m!(n+m)!1m
得られた式のm,nの総和の範囲は一致しているので文字を入れ替えて証明が完了する。

上記の輸送関係式から実は次の様な等式が得られていることは面白い

ζ(3)=0<n1n3=0<m,n1nm2n!m!(n+m)!=0<n0<m1<m21nn!m2!(n+m2)!1m1m2

式(余余余★★)を証明しよう

式(余余余★)で証明した連結和を用いよう。

コネクター

C(na,mb)=(na!mb!(na+mb)!)2

このコネクターを用いた場合は下記の様な輸送関係式を満たす。

輸送関係式

任意のインデックスkI,lI0に対して以下の漸化式が成り立つ。
Z(k2;l)=Z(k;l→↑)+2Z(k;l)

[1]示すべきことを確認する:
{Z(k2;l)=nUa<,mUb<C(na,mb)na21mlZ(k;l→↑)+2Z(k;l)=nUa<,mUb+1<1nkC(na,mb+1)(1mb+12+2namb)1ml
より以下の式を得る。
Z(k2;l){Z(k;l→↑)+2Z(k;l)}=nUa<,mUb<1nkml{C(na,mb)na2mb<mb+1C(na,mb+1)(1mb+12+2namb+1)}=0
ゆえに示すべきことは次の式:
C(na,mb)na2=mb<mb+1C(na,mb+1)(1mb+12+2namb+1)
[2]
mb<mb+1C(na,mb+1)(1mb+12+2namb+1)=mb<mb+1(na!mb+1!(na+mb+1)!)2(1mb+12+2namb+1)=mb<mb+11na2{(na!(mb+11)!(na+mb+11)!)2(na!mb+1!(na+mb+1)!)2}=1na2(na!mb!(na+mb)!)2=1na2C(na,mb)

境界条件

{Z(3;)=ζ(3)Z(1;2)+2(2,1)=30<n,m1nm2(n!m!(n+m)!)2


[1]前者は明らか
[2]後者
Z(1;2)+2Z(2;1)=0<n,m(1nm2+2n2m)(n!m!(n+m)!)2(m,n)=30<n,m1nm2(n!m!(n+m)!)2

自分でコネクタを考えてみる

少しはオリジナリティを出したいので、少しだけコネクタを考えてみよう。

コネクタ

任意の実数AR{0}に対して以下の様なコネクタを定義する。
C(na,mb)=Ana+mbna!mb!(na+mb)!

上記コネクタは下記の漸化式を満たす。
C(na,mb1)C(na,mb)=C(na,mb)(namb1AA)

C(na,mb+11)C(na,mb+1)=Ana+mb+11na!(mb+11)!(na+mb+1)!(mb+1A(na+mb+1))=C(na,mb+1)(namb+11AA)

輸送関係式

任意のインデックスk=(k1,...,ka)I,l=(l1,...,lb)I0に対して以下の輸送関係式が成り立つ。
Z(k;l)=Z(k;l)1AAZ(k;l→↓)

[1]示すべきことを確認する:
Z(k;l)=nUa<,mUb<C(na,mb)na1ml
Z(k;l)1AAZ(k;l→↓)=nUa<,mUb<mb<mb+1C(na,mb+1)(1mb+11AA1na)1ml
より
Z(k;l){Z(k;l)1AAZ(k;l→↓)}=nUa<,mUb<1nkml{C(na,mb)namb<mb+1C(na,mb+1)(1mb+11AA1na)}=0
よって示すべき式は以下の式:
C(na,mb)na=mb<mb+1C(na,mb+1)(1mb+11AA1na)
[2]
mb<mb+1C(na,mb){1mb1AA1na}=1naC(na,mb)

境界条件

{Z(3;)=0<nAnn3Z(2;1)1AAZ(3;0)=0<n,mAn+mn2mn!m!(n+m)!1AA0<n,mAn+mn3n!m!(n+m)!

代入して計算するだけ。

この最後に得られた式はA=1を代入した場合は(余余余★)と一致するので、(余余余★)を拡張したものだと分かる。
上記の様に、コネクタから逆算して輸送関係式を導くのは案外簡単にできる。
上記の方法をコネクタによる輸送関係式の導入と呼ぶことにする。
コネクタによる輸送関係式の導入法は簡単にまとめると次の様。

[1]まずコネクタC(na,mb+1)を定める。
[2]コネクタのmb+1に関する後進差分C(na,mb+1)C(na,mb+11)を求める。
[3][2]で求めた式を整理して次の形に直す:sAsnas{C(na,mb+1)C(na,mb+11)}=q,rBqrnaqmb+1rC(na,mb+1)
[4][3]よりsAsZ(ks)=q,rBqrZ(kq;lr)

投稿日:2024128
更新日:20241221
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