https://mathlog.info/articles/YPSj4jrr7SMZZrKJqWXL
の解説です。こーいう問題でした。
$$\sum_{n=0}^\infty\frac{2^n}{2^{2^n}+1}=\frac{1}{2+1}+\frac{2}{2^2+1}+\frac{4}{2^4+1}+\cdots=?$$
級数の和の基本、パンパン消えるやつ(ヒカマニじゃないですよ)にするために
\begin{align*}
\frac{2^n}{2^{2^n}+1}&=\frac{2^n\left(2^{2^n}-1\right)}{\left(2^{2^n}+1\right)\left(2^{2^n}-1\right)}\\
&=\frac{2^n\left(2^{2^n}+1-2\right)}{\left(2^{2^n}+1\right)\left(2^{2^n}-1\right)}\\
&=\frac{2^n\left(2^{2^n}+1\right)-2^{n+1}}{\left(2^{2^n}+1\right)\left(2^{2^n}-1\right)}\\
&=\frac{2^n}{2^{2^n}-1}-\frac{2^{n+1}}{2^{2^{n+1}}-1}
\end{align*}
ってな変形をすれば、足すと隣り合う項がパンパンパンパン!って消えて(だからヒカマニじゃないですって)
$$\sum_{n=0}^{N-1}\frac{2^n}{2^{2^n}+1}=1-\frac{2^N}{2^{2^N}-1}$$
ってなりますから、$N\rightarrow\infty$とすれば$1$に収束しますね。
この変形の面白いとこは分母の$2^{2^n}+1$が因数分解できなくても二つの分数に分けられているところですね。
短すぎる!尺が
尺を稼ぐために、これがどっから来たんだよって話と、一般化した公式を示します。
ここはやたら博識な人が跳梁跋扈する怖いところなので知ってる方も多いと思うんですけど、こんな公式があります。
$$\prod_{n=0}^\infty(1+x^{2^n})=(1+x)(1+x^2)(1+x^4)\cdots=\frac1{1-x}\quad(|x|<1)$$
以下説明
$$f_N(x)=\prod_{n=0}^{N-1}(1+x^{2^n})=(1+x)(1+x^2)(1+x^4)\cdots(1+x^{2^{N-1}})\quad(|x|<1)$$
に$(1-x)$をかけてみましょう。
\begin{align*}
(1-x)f_N(x)&=(1-x)(1+x)(1+x^2)(1+x^4)\cdots(1+x^{2^{N-1}})\\
&=(1-x^2)(1+x^2)(1+x^4)\cdots(1+x^{2^{N-1}})\\
&=(1-x^4)(1+x^4)\cdots(1+x^{2^{N-1}})\\
&\cdots\\
&=1-x^{2^N}
\end{align*}
よって
$$f_N(x)=\frac{1-x^{2^N}}{1-x}$$
と表せることがわかりました。じゃあ対数を取ってみましょう。
$$\log{f_N(x)}=-\log(1-x)+\log(1-x^{2^N}) $$
両辺$x$で微分して
$$\sum_{n=0}^{N-1}\frac{2^nx^{2^n-1}}{1+x^{2^n}}=\frac1{1-x}-\frac{2^Nx^{2^N-1}}{1-x^{2^N}}$$
両辺$x$かけて
$$\sum_{n=0}^{N-1}\frac{2^nx^{2^n}}{1+x^{2^n}}=\frac{x}{1-x}-\frac{2^Nx^{2^N}}{1-x^{2^N}}$$
と、こんな式が得られます。$x=\frac12$を代入すれば上の式が得られます。$x=\frac23$とかすると
$$\sum_{n=0}^\infty\frac{2^{n+2^n}}{2^{2^n}+3^{2^n}}=2$$
みたいなキッショい式が得られたりします。気持ち良すぎだろ!
余余余さんの記事
https://mathlog.info/articles/wK0H92Q4U5TZ1RhawY9l
にもっと詳しい話が載っとるやないか(やっぱり…)。先にこの記事を見てしまった方はご覧ください。
読んでくださってありがとうございました。最近音楽が面白くないのですが有限体が面白いです。興味ある方は調べてみてどうぞ。前の投稿からだいぶ開きましたけど今後もぼちぼち面白いと思ったやつを上げたくなった時に上げるかもしれません。面白いと思ってくださったら幸いです。