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で2つのRamanujan型の円周率公式
\begin{align}
\sum_{0\leq n}\frac{(6n+1)\binom{2n}n^3}{2^{8n}}&=\frac{4}{\pi}\\
\sum_{0\leq n}\frac{(-1)^n(6n+1)\binom{2n}n^3}{2^{9n}}&=\frac{2\sqrt 2}{\pi}
\end{align}
の$q$類似を示した. それとは別に, 2つのRamanujanの公式
\begin{align}
\sum_{0\leq n}\frac{(-1)^n(20n+3)\binom{2n}n^2\binom{4n}{2n}}{2^{10n}}&=\frac{8}{\pi}\\
\sum_{0\leq n}\frac{(8n+1)\binom{2n}n^2\binom{4n}{2n}}{2^{8n}3^{3n}}&=\frac{2\sqrt 3}{\pi}
\end{align}
に対しても次のような$q$類似がGuo-Zudilinの2018年の論文において示されているようである.
\begin{align}
\sum_{0\leq n}\frac{(-1)^nq^{2n^2}(q^2;q^4)_n^2(q;q^2)_{2n}}{(q^4;q^4)_n^2(q^4;q^4)_{2n}}\left(1-q^{8n+1}+\frac{q^{4n+1}(1-q^{4n+1})}{1+q^{4n+2}}\right)&=\frac{(q^2;q^4)_{\infty}^2}{(q^4;q^4)_{\infty}^2}\\
\sum_{0\leq n}\frac{q^{2n^2}(1-q^{8n+1})(q;q^2)_n^2(q;q^2)_{2n}}{(q^2;q^2)_{2n}(q^6;q^6)_n^2}&=\frac{(q;q^2)_{\infty}(q^3;q^6)_{\infty}}{(q^2;q^2)_{\infty}(q^6;q^6)_{\infty}}
\end{align}
この1つ目の等式はGuo-Zudilinの論文において, WZ対の変換を用いることによって示されているようである. 一方, 2つ目の等式は以下のように$q$超幾何級数の和公式から導出されているようである.
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で示した定理3において, $d=q^n$としてから$n\to\infty$とすると第2項は$0$に収束し, 以下の和公式を得る.
\begin{align}
\sum_{0\leq n}\frac{1-acq^{4n}}{1-ac}\frac{(a,q/a;q)_n(ac;q)_{2n}}{(cq^3,a^2cq^2;q^3)_n(q;q)_{2n}}q^{n^2}&=\frac{(acq^2,acq^3,aq,q^2/a;q^3)_{\infty}}{(q,q^2,a^2cq^2,cq^3;q^3)_{\infty}}
\end{align}
ここで, $q\mapsto q^2$としてから, $a=q, c=1$とすると,
\begin{align}
\sum_{0\leq n}\frac{1-q^{8n+1}}{1-q}\frac{(q;q^2)_n^2(q;q^2)_{2n}}{(q^6;q^6)_n^2(q^2;q^2)_{2n}}q^{2n^2}&=\frac{(q^5,q^7,q^3,q^3;q^6)_{\infty}}{(q^2,q^4,q^6,q^6;q^6)_{\infty}}\\
&=\frac{(q^3;q^2)_{\infty}(q^3;q^6)_{\infty}}{(q^2;q^2)_{\infty}(q^6;q^6)_{\infty}}\\
\end{align}
となるので, 両辺に$1-q$を掛けると,
\begin{align}
\sum_{0\leq n}\frac{q^{2n^2}(1-q^{8n+1})(q;q^2)_n^2(q;q^2)_{2n}}{(q^2;q^2)_{2n}(q^6;q^6)_n^2}&=\frac{(q;q^2)_{\infty}(q^3;q^6)_{\infty}}{(q^2;q^2)_{\infty}(q^6;q^6)_{\infty}}
\end{align}
を得る. このように, 2つ目の等式はGasper-Rahmanの変換公式の特別な場合として得られる和公式から導かれることが分かったが, 1つ目の等式
\begin{align}
\sum_{0\leq n}\frac{(-1)^nq^{2n^2}(q^2;q^4)_n^2(q;q^2)_{2n}}{(q^4;q^4)_n^2(q^4;q^4)_{2n}}\left(1-q^{8n+1}+\frac{q^{4n+1}(1-q^{4n+1})}{1+q^{4n+2}}\right)&=\frac{(q^2;q^4)_{\infty}^2}{(q^4;q^4)_{\infty}^2}
\end{align}
についても同じようにある程度一般的な$q$超幾何級数の和公式への一般化が存在するかどうかは気になるところかもしれない.