Catalan数に関係する数として
Narayana数
がある.Narayana数はピークを
またここから,Narayana数の
本稿ではNarayana数の
Dyck路にmajor indexという統計量を入れて数え上げると,母関数として
が出てきて,さらにその和は
になることが知られている [1].
二種のステップ
Dyck路は,
以前の記事
[5]で紹介した正方格子路の一種である.
例えば下図は
Dyck路の例と,そのmajの値
集合
を,以前の記事 [5]で定めたように定義する.復習すると,Dyck路
に対して,descentと呼ばれる集合
と定め,その和
をmajor indexと呼ぶのであった.
上の図の例でいうと,パスの中で"┘"みたいになってる場所がdescentである.
descentの要素数が
とかく.
この集合をmajor indexに関して数え上げる母関数を
とかき,
まず,
が成り立つ.但し,
Dyck路からparallelogram polyomino (staircase polygonとも呼ばれる)への全単射を考える [4].
サイズ
サイズ
Dyck路ポリオミノの一対一対応
この全単射の正確な定義は文献 [4,Exercises 57]に任せるとして,めっちゃ雑に説明すると,Dyck路のステップ
全単射のめっちゃ雑な説明
この全単射を曇りなき眼で見ると,重みを入れることができる.
つまり,ポリオミノが置かれているグリッドの横線 (ステップ
major indexと,横線の重みの積が一致する様子
つまり,
ここで,
Lindström–Gessel–Viennotの補題
を使うと,その母関数は基本対称式の行列式として
と表せて,Jacobi-Trudi公式 (
Nägelsbach–Kostka恒等式
ともいうらしい)を使うとそれはSchur関数を使って
と書ける.
上の定理で求めた式は以下の通り計算できて積型になる.
やることはWeylの指標公式
に突っ込んで,右辺のVandermonde行列式を計算するだけなのだが,特にヤング図形が長方形のときは計算した結果がすでに平面分割のMacMahon公式
として知られているから,ここでは簡単のためそちらを使う.
突っ込んで計算するだけなのであとは省略する.
Weylの指標公式とかMacMahon公式とかに関しては,文献 [3] が詳しいので,そちらを見ると良い.
を
Heineの和公式
[2]
を使う.