この記事では
こちら記事
にて紹介した
のような公式のヤコビによる導出について解説していきます。
今回の記事では
この記事
にまとめてある関係式をよく使うので適時ご参照ください。
上のような公式を導出するにあたって重要なのは変数を一つ増やしたときテータ関数は
という三重積を持つこと、そしてヤコビの楕円関数とテータ関数との間に
という関係があることにあります。
実際ヤコビの楕円関数の
のような関係式が得られ、
といった公式が導出されることとなります。
それでは以下で実際にその具体例を見ていくこととしましょう。
この項における式番号はJacobi(1829)の第39節における式番号に対応させている。
から
が成り立つので
に注意するとわかる。
この記事
にて紹介した
といった公式を
のようにしてわかる。
が成り立つことに注意するとわかる。
を対数微分することでわかる。
また
この項における式番号は上の項における式番号と対応させており、Jacobi(1829)の第40節における式番号とは異なることに注意する。
いま
および
に注意して上の公式
の
となることに注意する。
また
より
と表せることに注意すると
を二階微分することで以下を得る。
またこれらを適当に変形することで
の
より高次の積についても同様にして求めることができると推測されるが、ヤコビの楕円関数の展開係数は例えば
のように一般に
という形を作るのは骨が折れるものと考えられる。
しかし
とおくと
が成り立つ。
を二乗したとき、積和の公式
からある
と
を用いて
と表せる。
いま
のように分解すると
と変形できるので
を得る。
また
と表せる。
第一式については
第二式については第一式において
第三式については第一式と第二式を足し合わせることで得られる。
が成り立つので
に注意すると
を得る。
に注意して
が成り立つ。
いま
に注意すると
を得る。
また第二式については第一式において
とおくと
が成り立つ。
第一、三式については
に注意すると
また第二、四式についてはそれぞれ
最後に今回出てきたヤコビの楕円関数のフーリエ級数展開公式を整理しておこう。なおテータ関数のランベルト級数展開については
この記事
にまとめてあるのでそちらを参照されたい。
以下