どうもこんにちは,🐟🍊みかん🍊🐟です。絶対値の等式について前回記事を書きましたが,それを書いているときに,高校生のときに謎だと思っていた等式があることを思い出したので,それを示したいと思いました。
max-min formの等式は,正直に言って,場合分けが完全にできるのであれば難しくないのですが,場合分けをせずに素の等式を示すことができれば,新しい等式の発見,並びに構造的な理解への架け橋となる可能性があります。そのため,絶対値研究において場合分けを用いない証明というのは一定の価値があります。
さて,notationを
前回の記事
および,
\begin{align}
x^+=(0,x),\quad x^-=[0,x]
\end{align}
のように定めておくとすると,次の等式が成立します。
\begin{align} xy^+ = ([xy,x^2y+y],[0,-x^2y-y]) \end{align}
$xy^+$というのは,要するに$x(0,y)$のことなので,$y$が正なら$xy$,そうでなければ$0$となるはずなので,$(x^2+1)y$がどこから出てきたかさっぱりで,場合分けを用いない解釈を得ることができないままでいました。
以下,自己満足記事です。行間をあまり埋めていません。また展望として何が存在するのかなどを書いていないため,モチベーションが非常にわかりにくいかのせいがあります。その点はご了承ください。もし複数要望があれば「終わりに」や「場合分けを用いない証明」に大幅に手を加える可能性があります。
この章では前章で述べた命題を場合分けせずに示します。one-lineで示すこともできますが,あまり見通しが良くないので,見やすいように示します。やることは$xy, (x^2+1)y$の両方から同じ値を引くと$(0,y), (0,-y)$の正数倍になるようにするという話です。
\begin{align}
C
&= x(0,y)+(x^2+1)[0,y]\\
&= x(0,y)-(x^2+1)(0,-y)
\end{align}
とすると,
\begin{align}
xy
&= x(0,y) + x[0,y]\\
&= C+(x^2+1-x)(0,-y)
\end{align}
で,同様にして
\begin{align}
(x^2+1)y = C + (x^2+1-x)(0,y)
\end{align}
なので,上記二つの$\min$を取ることで,$(x^2+1-x)$が正値であることに注意すると
\begin{align}
[xy,(x^2+1)y]
&= C + [(x^2+1-x)(0,-y),(x^2+1-x)(0,y)]\\
&= C + (x^2+1-x)[(0,-y),(0,y)]\\
&= C + (x^2+1-x)(0,[y,-y])\\
&= C
\end{align}
です。トリビアルな事実として$[0,-(x^2+1)y]=-(x^2+1)y^+$なので,
\begin{align}
([xy,x^2y+y],[0,-x^2y-y])
&= (C, -(x^2+1)y^+)\\
&= xy^+-[(x^2+1)(0,-y),(x^2+1+x)(0,y)]\\
&= xy^+-(0,[-(x^2+1)y,(x^2+1+x)y])
\end{align}
なので,元の問題は以下の(場合分け無しでは)非自明な等式
\begin{equation}
[-(x^2+1)y,(x^2+1+x)y] \le 0
\end{equation}
に帰着されます。ここではより広く$a,b>0$として$[ax,-bx]\le 0$となることを示します。
\begin{align}
2[ax,-bx] = (a-b)x-(a+b)|x|
\end{align}
ですが,$a,b>0$によって,三角不等式から
\begin{align}
&\quad(a-b)y - (a+b)|y|\\
&= (|a-b|-(a+b))|y|\le0
\end{align}
なので,$2[ax,-bx]\le 0$で,よって$[ax,-bx]\le 0$です。
このタイプの謎等式をいくつか抱えていましたが,同じ方法で示すことができることが分かったので,とてもよかったです。
個人的に,この手の等式は,常に正の多項式があるのが悪さをしてるなぁと思いますね。