以前の私の記事 [1]では,要素が全部aの行列の固有多項式を,対合を作ることで計算しました (下記定理1).
行列Anを,要素が全部aのn×n行列とする (aは定数).すると,以下が成り立つ.det(An−xIn)=(−1)n(xn−naxn−1).
以前の記事 [1]で使った対合には追加で重みを入れることができ,同じ対合を使って以下も示せます.本稿では以下の定理2を示します.
n×n行列BnをBn=(aibj)i,j=1nと定める.すると,以下が成り立つ.det(Bn−xIn)=(−1)n(xn−xn−1∑i=1naibi).
Bi,jで行列Bnの第(i,j)成分を表す.任意のi,jと任意のx,yに対して,(式番号☆) Bx,iBy,j=Bx,jBy,iが成り立てば,以前の記事 [1]で作った対合を使って定理が示せる.行列Bnは式☆が成り立つように作ってある.(証明終わり)
代数的には,Bnのランクが1だから固有値0がn−1個あって,残り1個の固有値がトレースに等しくなるので示せます.
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