こんにちは,itouです.今回はXで見かけた しゅーくりーむさんの問題 の(19)に関して書きます.
以下,
難しいですね...私は解けませんでした.しゅーくりーむさんによるとカタラン数の漸化式から導けるらしいです.一般に,このような問題は解く(=closed formで表す)ことが非常に難しいです.(closed formで表せないことの方が多いです.)結果からいうとこの問題の答えは以下です.
この等式を導く方法の一つがZeilberger's Algorithmです.つい先日,
GWリレー記事:有限和とZeilberger's Algorithm
という記事を書きました.Zeilberger's Algorithmとは,ある関数
有限和
は,以下の漸化式を満たす.
このように,ある有限和を漸化式によって特徴づけることができるのがZeilberger's Algorithmです.そして,求められた漸化式が斉次2項間漸化式なら,容易に解くことができます.しゅーくりーむさんの問題においては
とおき,アルゴリズムを適用して,
を得るのでこの漸化式を繰り返し適用し,
を得ます.
Zeilberger's Algorithmを用いると,この等式の一般化を得ることができます.まず,少し変形しておきます.
において
ここで,記号を
(
ポッホハマー記号
),
とします.(この記号については こちらも参照 )
これを用いると,上の等式は
とかけます.
さて,やはりZeilberger's Algorithmを用いると,以下の等式を得ます.
分母を少し変えてみます.
逆に,分子に
などが求まります.
Zeilberger's Algorithmにより,
であることが分かります.この等式の両辺を
Zeilberger's Algorithmで遊んでいるとこんな感じで等式を得ることができます.(ただし,自分で有限和の形をもってくる必要があるので,効率は悪いですが).
ここまで読んで下さりありがとうございました.誤植等指摘よろしくお願いいたします.