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コリオリ力をラグランジアンから求めたらちょっと楽(備忘録)

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$$\newcommand{dps}[0]{\displaystyle} $$

角速度$\omega$で回転する$2$次元直交座標におけるコリオリ力を求めたい.
普通にやると二階微分とかでてきてややこしいのでラグランジアンから計算する(ラグランジアンが$t$に依存する時もオイラーラグランジュ方程式はそのまま使える!).
回転運動が絡むときは$\mathbb R^2\cong\mathbb C$で複素数平面上の運動だと思うとちょっぴり楽になる.

非慣性系での物体の座標を$\boldsymbol{x}=x+yi$とすると慣性形での座標は$\boldsymbol{x}'=(x+yi)e^{i\phi}$となる. ここで$\phi$は非慣性系の回転運動の寄与; 則ち$\dot\phi=\omega$となる関数.
$$\boldsymbol{v}'=\dfrac{d}{dt}\boldsymbol{x}'=(\dot x+\dot yi+i\dot\phi(x+yi))e^{i\phi}=((\dot x-\omega y)+(\dot y+\omega x)i)e^{i\phi}$$
だから, ラグランジアン$L$はポテンシャルを$U$として
$$L=\dfrac12m\big((\dot x-\omega y)^2+(\dot y+\omega x)^2\big)-U$$
従ってオイラーラグランジュ方程式は$\dot\omega=\alpha$とすると(等速円運動する系なら$\alpha=0$)
$$\begin{cases} \ \ \ m\omega(\dot y+\omega x)-U_x-m(\ddot x-\omega\dot y-\alpha y)=0\\ -m\omega(\dot x-\omega y)-U_y-m(\ddot y+\omega\dot x+\alpha x)=0\\ \end{cases}$$
である.
これを整理して$\boldsymbol F=-\nabla U$とすると
$$m\boldsymbol{a}=\boldsymbol F+m\omega^2\boldsymbol x-2m\omega i\boldsymbol v-m\alpha i\boldsymbol x$$
を得る. これが欲しかった式($\alpha=0$とするともっとよく見る形になる).
他の問題設定(例えば極座標)でも同じノリでできます. 三次元極座標とかは試してないけどどれぐらい楽になるんだろうか?

投稿日:16日前
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