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三角関数と数論的関数盛り合わせ無限積

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$$\newcommand{dis}[0]{\displaystyle} \newcommand{fraco}[1]{\frac{1}{#1}} \newcommand{intinf}[0]{\int_{0}^{\infty}} \newcommand{prodinf}[1]{\prod_{#1}^{\infty}} \newcommand{suminf}[1]{\sum_{#1}^{\infty}} $$

注意

見た目が複雑なだけで、美しい変形も、驚くべき定理もない。

得られる無限積

$\dis\prod_{n=1}^{\infty}\left(2n(i\pi)^{n-1}\prod_{m=1}^{n-1}\sec\left(\pi e^{\frac{m}{n}i\pi}\right)\right)^{\frac{\mu(n)}{n}}=e^{\frac{\pi^2}{6}-1}$

$\dis \prod_{n=1}^{\infty}\left(4n(i\pi)^{2n-1}\prod_{m=1}^{2n-1}\sec\left(\pi e^{\frac{m}{2n}i\pi}\right)\right)^{\frac{\varphi(n)}{n}}=e^{\frac{7-2\pi\coth(\pi)}{8}} $

($\mu$はメビウス関数、$\varphi$はトーシェント関数)

対数取れよ、と思うかもしれないが、一応無限積から話が始まって、見栄え良いのを探した結果、こうなった。

証明の概要

準備

$\dis\prod_{k=2}^{\infty}(1-k^{-2n})=\frac{(i\pi)^{1-n}}{2n}\prod_{k=1}^{n-1}\sin\left(\pi e^{\frac{k}{n}i\pi}\right)$

証明は この記事 へ。
簡単に言うと、無限積を因数分解したら、ガンマ関数の、ガウスの乗積表示たちの積っぽくなって、ガンマ関数が出てきて、相反公式使いまくったらこうなった、って感じ。

$\dis f(0)=1$である関数に対し、数列

$\qquad\dis a_n=\frac{1}{n!}\frac{d^n}{dx^n}\Bigg|_{x=0}\frac{xf’(x)}{f(x)}$

があるなら、

$\qquad\dis A_n=\sum_{d|n}\mu\left(\frac{n}{d}\right)a_d$

とすると、

$\qquad\dis f(x)=\prod_{n=1}^{\infty}(1-x^n)^{-\frac{A_n}{n}}$

証明は こちらの記事
簡単に言うと、結果の無限積を対数微分したら無限等比級数たちの無限和になって、展開して、和の取り方を変えて冪級数にしたら約数が関連してて、この流れを逆に辿るときにメビウス反転公式が使える、って感じ

本題

上の公式をみたら、もはや説明要らないような気もするけど、やってく。

公式2を適用できる関数$f$の無限積を考える

$\qquad\dis \prod_{k=2}^{\infty}f\left(\frac{1}{k^2}\right)=\prod_{k=2}^{\infty}\prod_{n=1}^{\infty}(1-k^{-2n})^{-\frac{A_n}{n}}$

なんで逆数取って2乗してるかって言うと、公式1を使うため。
右辺、先に$k$で計算すると

$\qquad\dis=\prod_{n=1}^{\infty}\left(\frac{(i\pi)^{1-n}}{2n}\prod_{k=1}^{n-1}\sin\left(\pi e^{\frac{k}{n}i\pi}\right)\right)^{-\frac{A_n}{n}}$

整理すれば終わり

$f(0)=1$で、まともな関数なら

$\dis\prod_{k=2}^{\infty}f\left(\frac{1}{k^2}\right)=\prod_{n=1}^{\infty}\left(2n(i\pi)^{n-1}\prod_{k=1}^{n-1}\csc\left(\pi e^{\frac{k}{n}i\pi}\right)\right)^{\frac{A_n}{n}}$

ただし$\mu$をメビウス関数として、
$A_n=\dis\sum_{m|n}\frac{\mu\left(\frac{n}{m}\right)}{m!}\frac{d^m}{dx^m}\Bigg|_{x=0}\frac{xf’(x)}{f(x)}$

使いやすいように変形

$f(x)$に、$e^{g(x)}$と言う関数を持ってくると都合良くて、左辺は

$\qquad\dis \prod_{k=2}^{\infty}f\left(\frac{1}{k^2}\right)=e^{\sum_{k=2}^{\infty }g\left(\frac{1}{k^2}\right)}$

$A_n$

$\qquad\dis A_n=\sum_{m|n}\frac{\mu\left(\frac{n}{m}\right)}{(m-1)!}g^{(m)}(0)$

となる。

$g(x)=x$としたのが最初の例、
2乗のところを4乗にして、$g(x)=\frac{x}{1-x}$としたのが二つ目の例。

ありがとうございました

投稿日:518
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kanaly
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