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「天才置換を合理的に① を読んで」を読んで

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前提知識

本記事を読む前に 天才置換を合理的に① を読んで を読むことを強くお勧めします。コンパクトにまとまっていて読みやすいですしお寿司。

こんちくは

こんにちは。最近体調が死亡しております。疲労の蓄積かな。知らんけど。
今回は ユッキーSY さんの記事の一つ、 天才置換を合理的に① を読んで の最後に書かれていた文である、
$1-x^4$が分母にあるときがなんだか面白そう。
今日のところはこの程度の計算のみにとどめておきます。あまり面白い積分を思いつかなかったのが残念です。

に対して一つ、個人的に面白い積分を思いついたのでその問題を提示して解きたいと思います。

ほんぺん

さて、ユッキーさんが言っていた面白そうな積分の形はこちらです。
\begin{align*} \int_{0}^{1}\frac{f(x)}{1-x^4}dx \end{align*}
これに$\displaystyle{x=\frac{1-t}{1+t}=\phi(t)}$、いわゆる「天才置換」を施すことで、
\begin{align*} \int_{0}^{1}\frac{f(x)}{1-x^4}dx&=\frac{1}{4}\int_{0}^{1}\frac{f(\phi(t))}{t}dt+\frac{1}{2}\int_{0}^{1}\frac{f(\phi(t))}{1+t^2}dt\\ &=\frac{1}{4}\int_{0}^{1}\frac{f(\phi(t))}{t}dt+\frac{1}{2}\int_{0}^{1}\frac{f(x)}{1+x^2}dx\quad \cdots(*) \end{align*}
と変形できるとのことです。
さて、この形の積分で厄介なのは分母の形です。$x=1$でずどんと発散してしまうので、分子に$x=1$$0$になるよさげな関数を持ってくる必要があります。そこで自分はとりあえず$\ln{x}$を持ってきました。そしてこれが神判断。対数関数に感謝してます。
ということで問題がこちら。

\begin{align*} \int_{0}^{1}\frac{\ln{x}}{x^4-1}dx \end{align*}

$x=0$$\ln{x}$が暴れだすけど大丈夫なの?と思うかもしれません。自分も思いました。収束することを願って$\text{WolframAlpha}$にぶち込んだら見事収束とのことでしたのでOKです^^
さ、早速解いていきましょう。
例のごとく、初手天才置換です。
\begin{align*} x=\frac{1-t}{1+t} \end{align*}
と置換すると、$(*)$より、
\begin{align*} \int_{0}^{1}\frac{\ln{x}}{x^4-1}dx&=-\int_{0}^{1}\frac{\ln{x}}{1-x^4}dx\\ &=-\frac{1}{4}\int_{0}^{1}\frac{1}{t}\ln\frac{1-t}{1+t}dt-\frac{1}{2}\int_{0}^{1}\frac{\ln{t}}{1+t^2}dt\\ &=-\frac{1}{4}I-\frac{1}{2}J \end{align*}
$I,J$を計算していきましょう。
まずは$I$から。対数をばらすと見えてきます。
\begin{align*} I&=\int_{0}^{1}\frac{1}{t}\ln\frac{1-t}{1+t}dt\\ &=\int_{0}^{1}\frac{1}{t}\ln(1-t)dt-\int_{0}^{1}\frac{1}{t}\ln(1+t)dt \end{align*}
ここで$\ln(1+x)$のマクローリン展開を利用すると、
\begin{align*} I&=\int_{0}^{1}\frac{1}{t}\sum_{0< n}-\frac{x^n}{n}dt-\int_{0}^{1}\frac{1}{t}\sum_{0< m}\frac{(-1)^{m-1}}{m}t^mdt\\ &=-\sum_{0< n}\frac{1}{n}\int_{0}^{1}t^{n-1}dt-\sum_{0< m}\frac{(-1)^{m-1}}{m}\int_{0}^{1}t^{m-1}dt\\ &=-\sum_{0< n}\frac{1}{n^2}-\sum_{0< m}\frac{(-1)^{m-1}}{m^2}\\ &=-\zeta(2)-\frac{1}{2}\zeta(2)\\ &=-\frac{\pi^2}{4} \end{align*}
積分と総和の交換には関数の一様収束性を論証する必要がありますが、自分が未熟でできないためすっ飛ばしています。今回の場合、交換はして大丈夫です。
さてお次は$J$。少し天下り的かもしれませんが、$\ln{t}=-u$と置換します。すると、
\begin{align*} \ln{t}=-u\Leftrightarrow t=e^{-u}\Rightarrow dt=-e^{-u}du \end{align*}
積分区間は$(\infty,0]$となります。置換を適用すると、
\begin{align*} J&=\int_{0}^{1}\frac{\ln{t}}{1+t^2}dt\\ &=\int_{\infty}^{0}\frac{-u(-1)e^{-u}}{1+e^{-2u}}du\\ &=-\int_{0}^{\infty}\frac{ue^{-u}}{1+e^{-2u}}du \end{align*}
さて、実はこんな性質があります。

$s$$s\in\mathbb{C},\Re(s)>0$とする。このとき、次が成り立つ。
\begin{align*} \int_{0}^{\infty}\frac{x^{s-1}e^{-x}}{1+e^{-2x}}dx=\Gamma(s)\beta(s) \end{align*}
ただし、$\Gamma(s)$はガンマ関数、$\beta(s)$はディリクレのベータ関数である。

これを用いると、
\begin{align*} J&=-\int_{0}^{\infty}\frac{u^{2-1}e^{-u}}{1+e^{-2u}}du\\ &=-\Gamma(2)\beta(2)\\ &=-\beta(2) \end{align*}
以上より、
\begin{align*} \int_{0}^{1}\frac{\ln{x}}{x^4-1}dx&=-\frac{1}{4}I-\frac{1}{2}J\\ &=\frac{1}{2}\beta(2)+\frac{\pi^2}{16} \end{align*}
と計算できました。

おわり

毎日$\text{Mathlog}$の記事を読み漁るのが日課で、今回は思わぬ収穫を得られました。積分をほかの手で変形していけば面白い級数が得られたりしないかな。まあ、いいでしょう。では。ほな、さいなら

投稿日:7日前
更新日:7日前
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投稿者

いつの間にか高校生になった翁です。 書きたくなったことを適当に書いていきます。 注意:ミス多いです。見つけたら指摘のコメントをしていただけると助かります。自分でも努力してます_(_×-×)_

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