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ベータ関数の微分で積分を解く

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ベータ関数の微分で積分を解く

どうも、らららです。
今回はベータ関数の微分で積分を解いていきます。
前の 記事 でもベータ関数の微分で積分を解いたりしてます。

今回示す積分はこちら

0logx(x+a)m+1dx=logaHm1mam(a>0,mN)

ここでHは調和数と呼ばれHn=k=1n1kとして定義されます。
またH0=0です。

この積分を示していきます。
準備をするためにせ補題を示していきます。

B(n,m)=0xm1(x+1)n+mdx

証明ベータ関数の定義から適切な置換をすることにより示せる。

0dx(x+1)m+1=1m

証明
補題2を用いる。
0dx(x+1)m+1=0x11(x+1)m+1dx=B(m,1)=Γ(m)Γ(1)Γ(m+1)=1m

ψ(n)=γ+Hn1

証明ディガンマ関数の定義ψ(s)=Γ(s)Γ(s)に注意してΓ(s+1)=sΓ(s)を対数微分することによりψ(s+1)=ψ(s)+1sとなる。
この式をくり返し用いてψ(s+n)=ψ(s)+k=1n1s+k1となる。
s=1を代入しψ(1)=γと調和数の定義を用いてψ(n+1)=γ+Hnとなる。
nn1とすることで題意を得る。

てことで証明していく。

0logx(x+a)m+1dx=a0log(ax)(ax+a)m+1dx=1am(loga0dx(x+1)m+1+0logx(x+1)m+1dx)=1am(logam+0logx(x+1)m+1dx)
0logx(x+1)m+1dx=0xs1logx(x+1)m+1dx|s=1=0sxs1(x+1)m+1dx|s=1=s0xs1(x+1)m+1dx|s=1=s0xs1(x+1)ms+1+sdx|s=1=sB(s,ms+1)|s=1=1Γ(m+1)sΓ(s)Γ(ms+1)|s=1=1Γ(m+1)(Γ(s)ψ(s)Γ(ms+1)Γ(s)Γ(ms+1)ψ(ms+1))|s=1=1Γ(m+1)(Γ(1)ψ(1)Γ(m)Γ(1)Γ(m)ψ(m))=Γ(m)Γ(m+1)(ψ(1)ψ(m))=1m(γ+γHm1)=1mHm1
0logx(x+a)m+1dx=1am(logam+0logx(x+1)m+1dx)=1am(logam1mHm1)=logaHm1mam

でたー!!

こうやって微分と積分の順序を交換することで解けるんですねぇ
留数定理での解法もありますがやる気があれば記事にします。

おしまい!!

投稿日:20231230
更新日:20231230
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