$A,B$ を集合とし、$f:A\to B$ を写像とする。
このとき、任意の $S,T\subseteq A$ に対して、
$$
S\subseteq T
\Longrightarrow
f(S)\subseteq f(T)
$$
が成り立つ。
任意に $S,T\subseteq A$ をとり、
$$
S\subseteq T
$$
と仮定する。
$f(S)\subseteq f(T)$ を示す。任意に $y\in f(S)$ をとる。
部分集合の像の定義より、ある $s\in S$ が存在して、
$$
y=f(s)
$$
が成り立つ。
仮定 $S\subseteq T$ より、
$$
s\in T
$$
である。
したがって、部分集合の像の定義より、
$$
f(s)\in f(T)
$$
である。
ここで $y=f(s)$ であるから、
$$
y\in f(T)
$$
である。
$y\in f(S)$ は任意であったから、
$$
f(S)\subseteq f(T)
$$
である。
以上より、任意の $S,T\subseteq A$ に対して、
$$
S\subseteq T
\Longrightarrow
f(S)\subseteq f(T)
$$
が成り立つ。
$$ \Box$$
一般には、
$$
f(S)\subseteq f(T)
\Longrightarrow
S\subseteq T
$$
は成り立たない。
理由は、写像が(単射でない場合)異なる元が同じ値に写ることがあるためである。
たとえば、$f:\mathbb R\to\mathbb R$ を
$$
f(x)=x^2
$$
で定める。
このとき、
$$
S=\{-1\},
\quad
T=\{1\}
$$
とおくと、
$$
f(S)=\{1\}
\quad
\text{かつ}
\quad
f(T)=\{1\}
$$
である。
したがって、
$$
f(S)\subseteq f(T)
$$
が成り立つ。
しかし、
$$
S\subseteq T
$$
は成り立たない。
$A,B$ を集合とし、$f:A\to B$ を写像とする。
このとき、任意の $S,T\subseteq A$ に対して、
$$
f(S\cup T)=f(S)\cup f(T)
$$
が成り立つ。
任意に $S,T\subseteq A$ をとる。
集合の相等を示すために、両包含を示す。
-以上より、
$$
f(S\cup T)=f(S)\cup f(T)
$$
である。
$$ \Box$$
$A,B$ を集合とし、$f:A\to B$ を写像とする。
このとき、任意の $S,T\subseteq A$ に対して、
$$
f(S\cap T)\subseteq f(S)\cap f(T)
$$
が成り立つ。
任意に $S,T\subseteq A$ をとり、任意に $y\in f(S\cap T)$ をとる。
部分集合の像の定義より、ある $x\in S\cap T$ が存在して、
$$
y=f(x)
$$
が成り立つ。
$x\in S\cap T$ であるから、
$$
x\in S
\quad\text{かつ}\quad
x\in T
$$
である。
$x\in S$ かつ $y=f(x)$ であるから、部分集合の像の定義より、
$$
y\in f(S)
$$
である。
また、$x\in T$ かつ $y=f(x)$ であるから、部分集合の像の定義より、
$$
y\in f(T)
$$
である。したがって、
$$
y\in f(S)\cap f(T)
$$
である。
$y\in f(S\cap T)$ は任意であったから、
$$
f(S\cap T)\subseteq f(S)\cap f(T)
$$
である。
$$ \Box$$
$f(S)\cap f(T)$ の元であるとは、ある $s\in S$ とある $t\in T$ が存在して、
$$
y=f(s)=f(t)
$$
が成り立つことを意味する。
しかし、このとき一般には
$$
s=t
$$
とは限らない。
したがって、$y$ が $S$ の元の像でもあり、$T$ の元の像でもあっても、$S\cap T$ の元の像であるとは限らない。
ゆえに、一般には
$$
f(S)\cap f(T)\subseteq f(S\cap T)
$$
は成り立たない。
$f:\mathbb R\to\mathbb R$ を
$$
f(x)=x^2
$$
で定める。
また、
$$
S=\{-1\},
\quad
T=\{1\}
$$
とする。
このとき、
$$
S\cap T=\varnothing
$$
であるから、
$$
f(S\cap T)=f(\varnothing)=\varnothing
$$
である。
一方、
$$
f(S)=\{1\},
\quad
f(T)=\{1\}
$$
であるから、
$$
f(S)\cap f(T)=\{1\}
$$
である。
したがって、
$$
f(S\cap T)\ne f(S)\cap f(T)
$$
である。
$f:A\to B$ が単射である場合には、任意の $S,T\subseteq A$ に対して、
$$
f(S\cap T)=f(S)\cap f(T)
$$
が成り立つ。
$ $
これは、$f(S)\cap f(T)$ の元 $y$ に対して、
ある $s\in S$ とある $t\in T$ が存在して $y=f(s)=f(t)$ となるとき、単射性より $s=t$ が従うためである。
したがって、この共通の元は $S\cap T$ に属し、$y\in f(S\cap T)$ が従う。
$A,B$ を集合とし、$f:A\to B$ を写像とする。
このとき、任意の $S,T\subseteq A$ に対して、
$$
f(S)\setminus f(T)\subseteq f(S\setminus T)
$$
が成り立つ。
任意に $S,T\subseteq A$ をとり、任意に $y\in f(S)\setminus f(T)$ をとる。
このとき、
$$
y\in f(S)
\quad\text{かつ}\quad
y\notin f(T)
$$
である。
$y\in f(S)$ であるから、部分集合の像の定義より、ある $s\in S$ が存在して、
$$
y=f(s)
$$
が成り立つ。
ここで、$s\in T$ と仮定する。
このとき、$s\in T$ かつ $y=f(s)$ であるから、部分集合の像の定義より、
$$
y\in f(T)
$$
である。これは
$$
y\notin f(T)
$$
に矛盾する。したがって、
$$
s\notin T
$$
である。
ゆえに、$s\in S$ かつ $s\notin T$ より、
$$
s\in S\setminus T
$$
である。
また、$y=f(s)$ であるから、部分集合の像の定義より、
$$
y\in f(S\setminus T)
$$
である。
$y\in f(S)\setminus f(T)$ は任意であったから、
$$
f(S)\setminus f(T)\subseteq f(S\setminus T)
$$
である。
$$ \Box$$
$f(S\setminus T)$ の元は、$S\setminus T$ の元の像である。
しかし、その同じ値が $T$ の別の元の像としても現れることがある。
その場合、その値は $f(T)$ に属するため、$f(S)\setminus f(T)$ には属さない。
したがって、一般には
$$
f(S)\setminus f(T)=f(S\setminus T)
$$
とは限らない。
$f:\mathbb R\to\mathbb R$ を
$$
f(x)=x^2
$$
で定める。
また、
$$
S=\{-1\},
\quad
T=\{1\}
$$
とする。このとき、
$$
S\setminus T=\{-1\}
$$
であるから、
$$
f(S\setminus T)=\{1\}
$$
である。一方、
$$
f(S)=\{1\},
\quad
f(T)=\{1\}
$$
であるから、
$$
f(S)\setminus f(T)=\varnothing
$$
である。したがって、
$$
f(S)\setminus f(T)\ne f(S\setminus T)
$$
である。
$f:A\to B$ が単射である場合には、任意の $S,T\subseteq A$ に対して、
$$
f(S)\setminus f(T)=f(S\setminus T)
$$
が成り立つ。
実際、単射であれば、$S\setminus T$ の元の像が $T$ の元の像としても現れることはない。