こんにちは ごててんという者です いつか書こうと思っていた記事にようやく向き合うことにしました(※2年くらい逃げてました)
この記事シリーズ(全2回)では、群論の重要な定理「準同型定理」を説明します。結構しっかり書いた記事ですので、そんなに気軽に読めない記事かもしれません!
前編(この記事です)では「剰余群」について説明します。準同型定理を理解するために、ここの説明は欠かせませんので、文字数をしっかり割いて説明します。
後編は→ https://mathlog.info/articles/nhIelluNjYOdlkMO5HTx
部分群や
早速 準同型定理を紹介...... といきたいところですが、それは後編の記事に任せて、復習からです。
準同型定理の説明の前に、次の3つを説明しなければなりません。
・正規部分群
・剰余群
・準同型写像
この3つをダイジェスト的に解説します。(この記事で説明するのは、剰余群と正規部分群についてです。)というか、準同型定理を理解するにはここが一番大事です。準同型定理を受容できるほどの用語理解度を涵養していきましょう。
ネタバレ画像
まずは「剰余群」の説明をします。線形代数を学んでいる場合には「商空間」を思い出していただけるといいかもしれません。
剰余群というのは、「群を部分群で割って作った新しい群」です。
次の問題を見てみてください。
数学に慣れ親しんだ皆さんなら「
群論で屈指の使いやすさを誇る
図で描くのラクなので多用させてください......
感覚的にわかりやすい記号なので説明はいらないかと思いますが、
次に、
演算の定め方ですが、アイデア自体は簡単です。
ただ、見やすくするために記法を導入します。
(この記法なら、
そうですね、この記号のもと、演算の定義をするとすれば次のような形になるのではないでしょうか。
・
これで演算の定義は万全ですね!!!!!!!!!!
...
...
...
...
すみません、 well-defined性を確かめていないようなのですが
(>_<)
アイキャッチ
はい、では数学の有名詰みポイント well-defined について説明します。さっきの演算の定め方では何を確かめていなかったのか。それは置いておいて、一旦 well-defined について書きます。
well-defined は、ちゃんと定義されている みたいな意味ではあるのですが、これは well-defined でない例 を見るのがいいです。その例を見てみましょう。
写像
いや、だめだろ!!!!!!!!
では
たとえば
上の例は
犯罪行為
まあこれは簡単です。
これでwell-definedであることが示されました!簡単ですね。
剰余群は、上の
群
これは群の演算を積の形で書いていた場合で、演算の記号が
こちらで
全部の元を+2でずらす
もう一度定義を貼っておきます。
部分群をxだけずらす
さてさて、
次のような感じです。
カンタン~~~ 至極単純です。これで演算もバッチリですね!!!!!!!!!!
...
...
...
...
すみません、 well-defined性を確かめていないようなのですが
(>_<)
アイキャッチ
前回は well-defined のチェックを
えっと、「これだとうまくいかないらしい!」くらいの認識でいいと思います。これがどうして well-defined でないかをきちんと計算で追うのがこの時点での群論の理解につながるかというと、そうでもないと思います。群論の基礎がちゃんと分かってきた気がしたくらいのときに自分で計算してみるくらいでいいと思います。
一応ちゃんと計算を貼っておきますが、文字で打つのが面倒になったので画像一枚で済ましちゃいますね、、、読まなくていいです
読まなくていいです
ではなぜ
正規部分群の説明をしたいのですが、正直なところ 準同型定理を理解するという目的なら正規部分群をちゃんとわかる必要は無いと思います。なので、この記事シリーズを読み切るくらいのためなら雑な理解で大丈夫です。
群
上のように定義された
先程は脆くも崩れ去りました演算規則、
名前だけでも覚えて帰ってください
なぜ well-defined になるかですが、一応証明を打つのが面倒だったので画像で載せておきます。ただ、別に納得感があるとかそういうものでもないので、そんなにちゃんと追わなくていいと思います。理解度が上がってきた頃に自力で証明すればいいやくらいに思っておいて大丈夫だと思います。
(以下、
(補足を書きまくったらかえって見づらくなった)
正直ぜんぶ手書きで記事を書きたい
はい。このようにして
正規部分群の定義を振り返ってみましょう。群
ここまで述べた内容を画像一枚にまとめました。ウオオオオ
この画像一枚でいい
この記事にはまだ足りないものがあります。剰余群の具体例です。
具体例その順番で書くことある?
これは周期
またこれは、整数の違いを無視している群です。言うならば
他に非可換な例とかも出したいのですが、どうしても複雑になってしまうのでやめておきます。
これで前編は終了です。長かったですね~~~
「
ここまで読んでいただきありがとうございました~~~~~