この記事ではある種の対称性を持つ行列式の因数分解公式
について簡単に解説していきます。
有限アーベル群
上の関数
とおくと
が成り立つ。ただし
に関する固有ベクトル
たちが線形独立であることを示せばよい。
ただし
とわかる。
この記事
の定理5から
と求まるので
例えば
が成り立つ。
具体的に
が成り立つ。
また例えば
ちなみに上の公式は有限アーベル群
を用いることで次のような説明付けをすることもできます。
なる関数
すなわち任意の
が成り立つ。
関数
によって定める。このとき線形写像
の標準基底に関する表現行列は
すなわち
が成り立つ。
関数
によって定めると、簡単な計算により
が成り立つ。
特に線形写像
を考えると、上の式は
と表せるので、
に関する両辺の表現行列を考えることで
を得る。ただし
とした。
特にフーリエ変換は可逆であることから
と対角化されることとなる。
なるほどなあ。
ちなみに上の計算例から
が成り立っていましたが、これと似て非なる行列式として次のような公式も知られています。
左辺の行列を
このとき
となるように取り、縦ベクトル
によって定めたとき、
が成り立つので
は(相違なる)