確率変数 $Z$ が標準正規分布に従うとは、$Z$ が実数値をとり、次の確率密度関数 $f_Z:\mathbb{R}\to[0,\infty)$ をもつことをいう。
$$
f_Z(x)=\frac{1}{\sqrt{2\pi}}\exp\left(-\frac{x^2}{2}\right)\quad(x\in\mathbb{R})
$$
すなわち任意の実数 $a\le b$ に対して
$$
P(a\le Z\le b)=\int_a^b \frac{1}{\sqrt{2\pi}}\exp\left(-\frac{x^2}{2}\right)\,dx
$$
が成り立つとき、$Z$ は標準正規分布に従うといい、
$$
Z\sim N(0,1)
$$
と書く。
確率変数 $X$ に対し、関数 $F_X:\mathbb{R}\to[0,1]$ を
$$
F_X(x):=P(X\le x)\quad(x\in\mathbb{R})
$$
で定める。この $F_X$ を $X$ の累積分布関数という。
確率変数 $Z$ が標準正規分布 $N(0,1)$ に従うとする。このとき、次が成り立つ。
集合 $D\subseteq\mathbb{R}$ が、任意の $x\in D$ に対して $-x\in D$ も満たすとする。
関数 $f:D\to\mathbb{R}$ が偶関数であるとは、任意の $x\in D$ に対して
$$
f(-x)=f(x)
$$
が成り立つことをいう。
3.に関しては、『標準正規分布に限らず、$Z$の分布が原点対称である限り成り立つ」という意味で読むのが自然で、
標準正規分布はその典型例、ということになる。
4.は、すなわち「確率変数が原点対称分布のとき、その絶対値がある正の値を超える確率は、その正の値を超える片側確率の$2$倍に等しい」という性質である。こうした対称性は、両側検定や 信頼区間の構成、$t$ 分布の構造理解など、多くの統計手法の基礎に利用されている。