(添字付けられた)集合族
まず集合系
「添字付けられた」というのは長いので略すことが多いです.集合族は位相空間論などで頻繁に出てきます.集合系は集合族に比べると実際の現場ではあまり意識されない概念ですがよく出てくる集合系の例としては集合
集合
直前の例を引き継ぎます.まず集合族には集合族の直積という概念があります。もし集合族と集合系を区別しないとしたら"集合系の直積"なる概念を考えられるということになりますが直積は一般に^1順番を区別する概念なのでそれが出来ずにおかしなことになります.直前の例に対して集合族の直積は
ZFC集合論では全ての数学的対象は集合です(詳しくはこちら:
https://mathlog.info/articles/6kdRkSN4uNoO3Wibd8c9
).よってどんな集合も集合系ということになり集合系は意味のない用語という事になります。だから厳密には集合系という言葉は実際にはある(念頭に置いている)レベルの集合の集合という意味で使うお気持ちワードにすぎないのです(上の商集合の例で言えば念頭に置いているレベルの集合とは同値類のことです)。
以上のことから集合族と集合系の違いをしっかり把握することの重要性がわかっていただけたかと思います.両者を混同している文献等もたまにありますがあれはただ記号の濫用をしているに過ぎません。
^1 より詳細には