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大学数学基礎解説
文献あり

指数関数を定積分でマクローリン展開

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ピカールの逐次近似法の説明で指数関数を求める例がよく使われますrn-picardwiki-picard。普通に計算すれば再帰的な積分からマクローリン展開と同じ結果が現れます。

マクローリン展開

指数関数exをマクローリン展開します。masuo-maclaurin

ex=1+x+x22+x33!+x44!+=n=0xnn!

これと同じ形が積分で得られることを確認します。

定積分

ex0からxまで積分します。

0xexdx=[ex]0x=ex1

これを整理します。

ex=1+0xexdx

右辺の積分内のexに、変数を調整して右辺全体を再帰的に代入します。

ex=1+0x(1+0xexdx)dx=1+0x1dx+0x0xexdxdx

同様に続けます。

ex=1+0x1dx+0x0x(1+0xexdx)dxdx=1+0x1dx+0x0x1dxdx+0x0x0xexdxdxdx

これを繰り返せば、一般には次のようになります。

ex=1+0x1dx+0x0x1dxdx+0x0x0x1dxdxdx+

1の多重積分を計算します。

ex=1+x+x22+x33!+x44!+

これはマクローリン展開に一致します。

積分からマクローリン展開と同じ結果が現れるのは興味深いですが、計算自体はピカールの逐次近似法を使った方が簡単です。

参考文献

投稿日:39
更新日:310
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