相対論∩スピン幾何
Newman-Penrose formalism 1
ではWeylスピノルのスピン接続の係数をなどで置いて、それらを元にnull tetradのリーマン接続の係数を導きました。しかし論理が逆の順序の方、すなわちnull tetradのリーマン接続からWeylスピノルのスピン接続を計算する方が素朴だと思います。またこちらの方がWeylスピノルから作られるnullベクトルを計算するために必要ないくらかの公式などを準備しなくても議論できるので論理としても経済的です。
null tetradのリーマン接続
4次元時空のo.n.f.をとしするとき、null tetrad を
として定義します。行列表示すると以下のようになります。
またのco-frameをとすると、計量は
と表されます。に関するリーマン接続を
で定義すると、
が成り立つことに注意すると、接続形式は
で与えられます。
スピン接続
スピン接続を計算するためには、o.n.f.でのリーマン接続が必要なので、null tetradでの接続形式を行列で変換して、o.n.f. での接続形式を計算します。
となるので、
となります。Weylスピノルのスピン接続が知りたいので、Clifford代数の表現としてはchiral表現を取ります。すなわち
です。よってスピン接続の接続形式は
となります。
(right-handed)Weylスピノルを
と置くと、
となります。
Newman-Penrose formalism 1
の定義1のようにを設定したければ、conventionを合わせるためにと置いて、
と置けばよいことが分かります。やその符号をどのように配置するかは本質的ではないので、上記の3つの1-formの係数をどのように設定してもよいですが、上記のように置く流儀がよく見られます(符号は文脈や著者によって違うことがあります)。
まとめ
4次元時空のWeylスピノルはの定義表現の同伴バンドルになっているわけですが、そのスピン接続とnull tetradのリーマン接続の明示的な関係式を与えました。