相対論∩スピン幾何
Newman-Penrose formalismについて説明します。NP formalismとは4次元時空の計量的性質を12個の関数を使って計算する技法です。Maxwell方程式やEinstein方程式などもこれらの関数で書くことができますが、汚いです。しかしNP技法の考え方は単純です。
時空は4次元かつSpin多様体とします。
この記事で使うfactとconvention
Weylスピノルとnullベクトル
Dirac spinorが作るベクトル
の知識を使うので以下のまとめます。
Pauli行列
Gamma行列(chiral表現)
4次元Lorentzのスピノル空間
Weylスピノル:の元
型の擬Euclid空間
(添え字の上げ下げはすべてで行う)
Majorana form
charge conjugate
Weylスピノルとnull tetrad
4次元時空の独立なWeylスピノルでが定数となるものを一組選び固定します。このとき次の4つのベクトル場を定義します。
このときはnull tetradとなります。すなわち次が成り立ちます。
なので、となるようにrescaleすればよい。
さらにこのとき
となる。
また
となる。
Weylスピノルと共変微分
のに関する共変微分を以下のように定義します。
これら12個の関数によりの微分幾何学的性質は原理的には決定されます。
null tetradの共変微分
さらにから作られたnull tetradの微分幾何学的性質も原理的には12個の関数で記述できます。null tetradと12個の関数との関係は以下で与えられます。
これにより時空の接バンドル、余接バンドルやそのテンソル積バンドルに関するいろいろな量を計算することができます。