長かったので分割。
原子元などについて: https://mathlog.info/articles/hr0oN6skfGM4JGmEFXxo
完備束$L$と$P \subset L$と$x \in L$について、$x$が$P$-生成 ($P$-generated)であるとは、以下を満たすことを言う。
$L$の任意の元が$P$-生成であるとき、$L$は$P$-生成であるという。
($P$が$L$の中で結び稠密であるとも言うらしい。。。?)
$0$を持つ半順序集合$L$と$P \subset L$について、$L$が$P$-根的であるとは、以下を満たすことを言う。
完備束$L$のコンパクト元全体を$\comp(L)$と書くことにする。
0をもつ半順序集合$L$の原子元全体を$\atom(L)$と書くことにする。
$\comp(L)$-生成 (コンパクト元生成)であることを代数的とも呼ぶ。
$\atom(L)$-生成 (原子元生成)であることを原子論的 (atomistic)とも呼ぶ。
$P = \N \times \Q_{\ge0}$と置く。
$P$の原子元は$(1,0)$のみ。しかし$(1,0) \not\le (0,1)$である。
$P$-生成な完備束$L$は$P$-根的である。
$x \in L \setminus\set{0}$を取り$x = \bigvee(↓^Lx \cap P)$と表す。
$↓^Lx \cap P \subset \set{0}$と仮定すると$x = \bigvee(↓x\cap P) \le 0$または空集合の結びで$x=0$となり矛盾。
従って$0 \not= y \in ↓x \cap P$なる$y$が存在する。
$0$を持ちDCCを満たす半順序集合$P$は原子根的である。
$P=\set{0}$の場合、$P$は原子根的である。
そうでないとする。
$x \in P\setminus\set{0}$を取る。
$P$はDCCを満たすから、任意の空でない部分集合に極小元が存在し、よって$\set{y \in P \mid 0 < y \le x}$の極小元$m$が取れる。
このとき、$0 \prec m \le x$
$0$を持つ有限順序集合は原子根的。
有限順序集合はDCCを満たすから。
有限Boole代数は原子論的である。(原子元生成である)[1:Lemma5.4]
$B$を有限Boole代数とする。
$a \in B \setminus\set{0}$を取り、$S = ↓^{\atom(B)}a$と置く。
$B$は有限集合だから原子根的であり、$S$は空でない。
$a$は$S$の上界である。
$S$の上界$b$を取る。
$a \not\le b$と仮定する。
この時、$0 < a \wedge \neg b$
$B$は原子根的であるから$0 \prec x \le a \wedge \neg b$なる$x$が取れる。
この時、$0 \prec x \le a \wedge \neg b \le a$であるから$x \in S$であり、従って、$x \le b$
また、$0 \prec x \le a \wedge \neg b \le \neg b$だから、$x \le \neg b$
この時、$x \le b \wedge \neg b = 0$
これは$0 \prec x$に矛盾。
従って、$a \le b$
即ち$a$は$S$の最小上界であった。
完備束$L$において、$c \in \comp(L)$を$c > 0$なるコンパクト元とする。
このとき、$m \prec c$となる$m \in L$が存在する。
$P = \{ u \in L \mid u < c \}$ と置く。
$c > 0$ なので $0 \in P$ となり非空。
$T$ を $P$ の任意の全順序部分集合とし、$v = \bigvee T$ と置く。
$v = c$ と仮定すると、$c$ はコンパクト元だから、有限生成であり、ある有限部分集合$F \subsetw{finite} T$ が存在して $c = \bigvee F$ となる。
$T$は全順序だから、$F$の最大元$u_0 \in T$が存在し、$c = u_0$
しかし $u_0 \in P$ より $u_0 < c$ であるため矛盾。
従って$v < c$、即ち $v \in P$ である。
$v$は$T$ の上界であるから、Zornの補題より$P$は極大元$m$を持つ。
極大性の定義より、$m < x \le c$ となる $x$ は $x = c$ しか存在しないため、$m \prec c$ が成り立つ。
代数的束はコンパクト根的である。
代数的束はコンパクト元生成だから、コンパクト根的である。
可補代数的モジュラー束$L$は原子根的である。
$z > 0$を満たす$z \in L$を取る。
$L$は代数的束だから、コンパクト根的であり、$0< c \le z$となるコンパクト元$c$が取れる。
$L$は完備束だから、$m \prec c$となる$m$が取れる。
$L$は可補だから、$m$の補元$m'$が取れる。
$p = c \wedge m'$と置く。
$m \le c$だから、モジュラー律より、
$m \vee p = m \vee (m' \wedge c) = (m \vee m') \wedge c = 1 \wedge c = c$
また、
$m \wedge p = m \wedge (m' \wedge c) = (m \wedge m') \wedge c = 0 \wedge c = 0$
モジュラー束のダイヤモンド同型定理より、$[m \wedge p,p]$と$[m,m \vee p]$は順序同型となる。
すなわち、$[0,p] \simeqw{Ord} [m,c]$
$m \prec c$だったから、$p$は原子であった。
このとき、$p = c \wedge m' \le c \le z$ であるから、$p \le z$ となる原子元 $p$ が存在する。
有限束は結び既約元生成である。
参考記事の補題16
$x \in L$に対し、$\phi(x) = ↓^{P(L)}x$、$f(x) = \bigvee \phi(x)$と略記する。
ある$x \in L$が存在して$x \not= f(x)$であると仮定する。
$A = \set{x \in L \mid x \not=f(x)}$と置く。
仮定より$A$は空でなく、有限集合だから極小元を取ることができる。
極小元の一つを$m$と置く。
$m \not= 0$である。何故なら、$f(0) = 0$だから。
任意の$x \in \phi(m)$に対し$x \le m$であるから、$\bigvee \phi(m) \le m$、即ち$f(m) \le m$である。
$f(m) \not= m$であるから$f(m) < m$である。
[$m \in P(L)$の場合]
$\i$この時$m$は$\phi(m)$の最大元になる。
$\i$よって、$f(m)=m$となるが、これは$f(m) \not= m$に矛盾。
[$m \not\in P(L)$の場合]
$\i$$m$は結び既約元でも$0$でもないから、
$\i$$m = a \vee b$と表せる。($a,b \in L$かつ$a < m, b < m$)
$\i$($0$でない非結び既約元はそれ未満の元に分解できる。)
$\i$$m$は$A$の極小元だから、$a,b \not\in A$
$\i$即ち、$f(a) = a$かつ$f(b) = b$
$\i$この時、$m = a \vee b = \bigvee\phi(a) \vee \bigvee\phi(b) = \bigvee(\phi(a) \cup \phi(b))$
$\i$また、
$\i$$a \le m$だから、$\phi(a) \subset \phi(m)$
$\i$$b \le m$だから、$\phi(b) \subset \phi(m)$
$\i$従って、$\phi(a)\cup\phi(b) \subset \phi(m)$である。
$\i$よって、$m \le \bigvee\phi(m) = f(m)$
$\i$これは$f(m) < m$に矛盾。
従って、$x \not= f(x)$となる$x \in L$は存在しない。