$$ \vec{A} = \boldsymbol{A} = (A_x, \, A_y, \, A_z) = (A_1, \, A_2, \, A_3) $$
とし、ある成分について $A_i\,\,(i=1,2,3)$ と書きます。
$$ \boldsymbol{A}\cdot\boldsymbol{B} = \sum_{i=1}^3 A_iB_i = A_iB_i $$
のようにして、同じ文字が繰り返される場合は和を取ることとします。したがって同じ文字が3回以上繰り返されることはありません。またこの時は和を取ってしまい、特別な方向を持つ意味がなくなるので、ダミー添え字と言ったりします。
$$ \epsilon_{ijk} = \left\{ \begin{array}{ll} +1&\quad(\rm{even\,permutation})\\ -1&\quad(\rm{odd\,permutation}) \end{array} \right. $$
even permutation(偶置換)とodd permutation(奇置換)は$\epsilon_{123}=+1$を基準として添え字を偶数回交換するか、奇数回交換するかの違いです。数字を1回交換するごとに符号が反転します。例えば $\epsilon_{321}$ は $\epsilon_{123}$ の1と3を交換すると出来るので、$\epsilon_{321}=-1$ です。一方、 $\epsilon_{312}$は $\epsilon_{321}$からさらに1と2を交換すると出来るので、 $\epsilon_{312}=+1$となります。
$$
\epsilon_{123} = +1\,\, \rightarrow\,\, \epsilon_{321} = -1 \,\, \rightarrow\,\, \epsilon_{312} = +1
$$
また、上記の定義により、反対称性を持つので同じ数字が2つ以上ある場合はゼロです。例えば、
$$
\epsilon_{112} = - \epsilon_{112} = 0
$$
最初の等号は1つ目と2つ目の添え字を入れ替えることで起こる符号の反転。 $a = -a$ が成り立つときは $a=0$ であるため。
$$ \begin{equation} (\boldsymbol{A}\times \boldsymbol{B})_k = \epsilon_{ijk}A_iB_j\qquad (*) \end{equation} $$
レビ・チビタ記号を用いて外積を上記のように表記できます。
もし、$k=1$である場合は $x$ 方向の事を言っているので、
$$
\begin{align*}
(\boldsymbol{A}\times \boldsymbol{B})_1 &= A_2B_3 - A_3B_2\\
(\boldsymbol{A}\times \boldsymbol{B})_x &= A_yB_z - A_zB_y
\end{align*}
$$
となります。
実際にレビ・チビタ記号を使って外積を表現出来ているか確認しましょう。
$$
\epsilon_{ij1}A_iB_j = A_2B_3 - A_3B_2\qquad(**)
$$
となっているかということです。実際に書き下してみましょう。並んだ添え字は和を取るルールだったことを思い出し、まずは $i$ について和を取ると、
$$
\begin{align*}
\epsilon_{ij1} A_iB_j &= \epsilon_{1j1} A_1B_j + \epsilon_{2j1} A_2B_j + \epsilon_{3j1} A_3B_j\\
&= \epsilon_{2j1} A_2B_j + \epsilon_{3j1} A_3B_j\\
\end{align*}
$$
と書けます。ここで、$\epsilon_{1j1}$は添え字の1が2つあるので、反対称性から0となることを使っています。さらに $j$について和を取ると、反対称性を考慮しながら書くと、
$$
\begin{align*}
\epsilon_{2j1} A_2B_j + \epsilon_{3j1} A_3B_j
&=\epsilon_{231} A_2B_3 + \epsilon_{321} A_3B_2\\
&=A_2B_3 - A_3B_2\\
\end{align*}
$$
となり、確かに $(**)$ が成り立っています。同様にして $y$、$z$方向それぞれに証明できるので、外積について、$(*)$と書けることがわかります。