この記事ではRiemann zeta関数の因数分解(無限乗積展開)公式の証明を行います。
具体的には以下の公式が成り立ちます。
リーマンゼータ関数
が成り立つ。ただし
とし、
また上式の右辺は
とも表せるので実際には以下の主張を示していくことになります。
リーマンの
について
が成り立つ。
まず
が成り立つ。ただし
とした。
を用いて
これは部分積分によって
と変形できることからあとは以下の等式を示せばよい。
ポアソン和公式より
つまり
が成り立っていたので、これを微分して
がわかるのでこれを整理することで主張を得る。
まず最初に簡単な補題を一つ示しておく。
であって、また
であることから主張を得る。
いま簡単のため
は以下のように求められる。
定理3および
から
と展開でき、また補題5から
つまり
いまスターリングの公式から
と評価できるので、これは
を得る。
あとは アダマールの因数分解定理 を適用し適当に変形していく。
が成り立つ。ただし
と表せ、関数等式
および
となることがわかるので
を得る。
ここで上式一行目の式は絶対収束するのに対し二行目の式は条件収束になるので等号が成り立つためには
となるのでこれを
を得る。
また
がわかるので主張を得る。
上では
という表示を示しましたが、この非自明な零点の因子
は条件収束であり、これを絶対収束させるためには補正因子
とする必要があります。
そしてこの変形によって因数分解公式の指数部分は次のように変化することがわかります。
因数分解公式を対数微分すると
となるので
が成り立つ。
また
この記事
の定理10から
であったことから主張を得る。
したがって以下の絶対収束する因数分解表示が得られます。