この記事は以前書いた記事
〇 x^k-x^(k-1)-…x-1=0 の解の累乗の和についての予想
の続きになります。まだ読んでいない方は先に上記の記事を読んでからこの記事を読むことをおすすめします。
あらためて予想の内容を書くと次のようなものでした。
が成り立つ。
この記事をアップしてから、Mathlog のコメントや Twitter でたくさんの情報をいただきました。おかげさまで予想が正しいことを証明できました!皆様のご協力にこの場を借りて感謝いたします。
〇
kzaukzau さんのコメント
〇
iida_256 さんの記事 apu氏の予想に関する考察[2]
〇
おめ さんのツイート
〇
ババ。 さんのツイート
〇
たけのこ赤軍 さんのツイート
式を簡単にするためにひと手間加えます。
の両辺に
となります。
と定義し、
となります。こうすることで、
を証明すればよいことになります。
証明にはニュートンの恒等式を使います。
なお、ニュートンの恒等式についてはこれらのサイトを参考にしました。
高校数学の美しい物語 ニュートンの恒等式とその証明
Wikipedia(en) Newton's identities
説明の都合上、元記事とは
そして、
そうすると、ニュートンの恒等式は次のようになります。
また、次のようになります。
ではいよいよ証明に入ります。
と定義し、
とする。解のうち1つは
基本対称式の定義より
であるから、係数比較して
ここからニュートンの恒等式を使います。
ただし、
(i)
(ii)
より
以上より
ここで
あとは
これで証明の完成です。
予想は正しかった!
が成り立つ。
実は、この予想はリュカ数列を一般化した
知らない方のために説明すると、リュカ数列というのはフィボナッチ数列と深い関係のある数列で、次の漸化式で定義されます。
漸化式はフィボナッチ数と同じで、初項だけが違います。
以前、フィボナッチ数列を一般化した
参考: フィボナッチ数列を拡張したk-ナッチ数列の一般項についての予想(その4・証明完成)
今回証明した式は、
今日はここまでです。今後にご期待ください!