前回の記事(
https://mathlog.info/articles/1752
) では, Don@ld氏の問題,
を
まで, 変形しました. 今回こそはこれを解いていきたいと思います. どうやらマイナーな定数が使われているらしいということが分かったんですが, まず, 前回の定理3を強くしていきたいと思います.
以下のように関数
これは前回の定理3とまったく同様なので証明は省略する.
被積分関数
に対し, 以下のような積分路を考える.
積分路
先に
が
定理1で
また, 定理2で
2つ目の式から1つ目の式を引くことにより, 定理を得る.
ここで, 補題を用意しよう, と思ったんですが, 以下は証明ができなかったので予想としておいておきます.
予想が成立するならば,
まず, よく知られたラプラス変換により,
よって,
ここで, 予想の式を用いると,
ここで,
であるから,
よって,
さて, 定理はそろったので問題を解いていきます. 定理3において,
定理4において, 特に
が成り立ちます. 上の式において,
ここで,
はFransén–Robinson constant(
https://en.wikipedia.org/wiki/Frans%C3%A9n%E2%80%93Robinson_constant
) として知られているので(いや, この定数は知らんかったわ), それを用いて,
と表すことができました. あの予想がそもそもあってるのかはおいといて, まあまあうまくいったと思いました.