この記事は "双子"な行列とその必要十分条件 という記事の続きです。今回は、前回定義した双子という性質を、自分自身の転置行列との間に持つ行列の具体例を紹介します。前回までの記事を読んでいなくてもわかるように書いたつもりです。
この記事から読み始めた人にも伝わるように、前回までの復習をしたいと思います。まず、双子という性質の定義は次のようでした。
が任意の
そして、
任意の
が成り立つことは、
今回は
任意の
が成り立つことは、
後で使うときのために、この左辺において、
『
パスカルの三角形の驚くべき対称性
』では、パスカルの三角形の中に作られる正方行列(すなわち
では、他にそのような行列は作れないでしょうか?
です。これはちょっとつまらないので、スルーしましょう。
この場合は、
実際に
しかし、次のようにすると、うまく
ただし、
これは
さらに、
とすると、
となって、やはり
例として、
と定義すれば、
が成り立つという訳です。ここで、リュカ数列
でしたから、上で定義した行列
まあ、だからどうしたという話ですが(笑)、面白いなと思ったのでこんなものも作ってみました。
さて、パスカルの三角形の例を使うと、実はパスカルの三角形の任意の位置の任意の大きさの正方行列の行列式を求める公式が得られるのですが、それは気が向いたら記事にすることにします。
読んでいただきありがとうございました。